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宮崎駿はなぜ「実写」映画を作らないのか? 過去インタビューで衝撃発言「今の日本人の顔は」

「実写を撮らないのですか?」海外記者の質問に、宮崎監督は衝撃的な回答を寄せました。

宮崎駿「素晴らしい俳優が」

宮崎駿のインタビューが載った『ジブリの教科書10 もののけ姫』(文春文庫)
宮崎駿のインタビューが載った『ジブリの教科書10 もののけ姫』(文春文庫)

 日本を代表するアニメの巨匠、宮崎駿監督が映画を撮るなら、それはすなわち「アニメ映画」ということになります。他方、同じアニメーターであっても、庵野秀明監督のように実写映画を手がける方もいました。

 宮崎監督は、実写映画に興味を持ったことはないのでしょうか。『ジブリの教科書10 もののけ姫』(文春文庫)にも掲載されている、海外記者のインタビューにおいて、本人が詳しく述べています。ただし、その内容はなかなか衝撃的でした。

『もののけ姫』をはじめとする自作の自然描写へのこだわりを語る宮崎監督に対し、海外記者は「そこまで自然にこだわるのに、どうして実写にしないんですか?」と、なかなかラディカルな質問をぶつけます。

 これに対し宮崎監督は、実写のカメラでは日本の美しさ、奥深さをとらえ損ねてしまうと述べ、自然の美しさを表現するなら実写よりも「僕らの下手くそな絵の方がまし」と、アニメーターとしての矜持を見せました。

 これだけなら良かったのですが……さらにその記者が「実写作品をやりたいと思われたことはないのですか?」と踏み込むと、宮崎監督は「そういう才能はない」と前置きした上で、こんなことを言い出しました。

「そんなに素晴らしい俳優が日本にいない。今の日本人の顔は絵になる顔じゃない。あと5年くらいしたらいい顔が出てくるのかもしれないけど(笑)」

 もちろん、これはあくまでも頭のなかにある理想を取り出し、世に送り出す「アニメーター」という立場での発言です。実際、『もののけ姫』には、多くの俳優が声優として参加しているわけで、キャストの本業を否定する意図はないでしょう。

 さらに、宮崎監督は続けてこんなことまで言っています。

「だから日本の女優の顔を見て、好きな人は一人もいないんです」

 今読み直しても、ヒヤヒヤが止まりません。繰り返しますが、理想がすでに頭のなかにあるアニメーターであるがゆえの発言です。ただし、こちらがこうして勝手にフォローしたくなるほどには、スリリングなことを平気で言っていました。

 さて、あれから30年近く経過しました。宮崎監督が言うところの「いい顔」は、現れたのでしょうか? 宮崎演出の「実写」は、ぜひとも観たかった作品です。

(片野)

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片野

構成作家。1960年代カルチャーを好む。これまでに「ウルトラ」シリーズをはじめとする特撮番組、「ドラゴンクエスト」「ポケットモンスター」など国民的RPGシリーズ、ギャグマンガのジャンルで記事を多数執筆。

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