『トイ・ストーリー』はなぜ「終われない」のか? 続編を作らない「スタジオジブリ」との違いとは
『トイ・ストーリー5』の公開が間近です。多くの人に愛されている『トイ・ストーリー』ですが、3部作で美しく完結したのに、その後もシリーズが続いていることには賛否の声もあります。なぜハリウッドはシリーズ化がやめられず、「スタジオジブリ」は続編を作らないのか。その違いはどこにあるのでしょうか。
『3』で大きな感動を呼んだが…? 金ローで『4』まで連続放送

世界初のフルCG長編アニメとして大ヒットしたのが、「ピクサー」制作の『トイ・ストーリー』(1995年)です。保安官人形のウッディと、アクションフィギュアのバズとの友情と冒険に、多くの人がワクワクドキドキさせられました。
2026年7月3日(金)からはシリーズ最新作『トイ・ストーリー5』が、日本でも劇場公開されます。子供の想像力のなかで一緒に遊ぶことを喜びとしてきたウッディたちは、デジタルツールという強敵と向き合うことになります。
人気シリーズとなった『トイ・ストーリー』ですが、感動作としての評価が高い『トイ・ストーリー3』(2010年)以降もシリーズが続いていることは、ファンの間でも賛否を呼んでいます。
この6月は、「トイ・ストーリー」第1作から第4作までが6月12日から「金曜ロードショー」(日本テレビ系)で4週連続放送されます。同作がシリーズ化されたことの是非について考えます。
クリエイターの作家性を重んじていた「ピクサー」
もともと「ピクサー」は、SF映画『スター・ウォーズ』(1977年)で有名な「ルーカスフィルム」のテクノロジー部門として歴史が始まっています。その後、「アップル」創業者のスティーブ・ジョブズが買い上げ、CGアニメを開発中だったジョン・ラセター監督らが『トイ・ストーリー』を完成させました。
クリエイターたちの発想や才能を「ピクサー」は大切にしてきた会社です。それゆえにCGアニメというテクノロジーと、ウッディたちの友情という温かみのある物語がうまく融合することができたのです。
配給する立場だったディズニー社は、『トイ・ストーリー』が大ヒットしたことから続編化を持ちかけます。低予算で済む、ビデオ作品にしようというものでした。このときの「ピクサー」は作品のクオリティーが下がることを懸念し、劇場版として『トイ・ストーリー2』(1999年)を仕上げています。クリエイターチームとしての矜持(きょうじ)を感じさせます。
ディズニー社に「ピクサー」が買収された後、『トイ・ストーリー3』が製作されます。ウッディと持ち主であるアンディとの別れを鮮やかに描き、大ヒット作となりました。大人になっていくアンディに対する、ウッディの「父性愛」に似た感情すら感じさせます。
第1作を観ていた時点では、まさかここまで泣かせるシリーズになるとは思ってもいなかった人がほとんどだったのではないでしょうか。


