「東京国際サメ映画祭」開催中。サメが空を飛び、歩き、合体変異する独自進化の歴史
サメ映画がここ数年、世界的に異様な盛り上がりを見せています。低予算で製作され、有名俳優が出演していないにもかかわらず、SNSや上映会は大いに盛り上がっています。なぜ、サメ映画は人気なのか? またサメ映画の押さえておきたいマスト作品を、コンパクトに解説します。この夏、サメ映画を存分に楽しんでください。
異様な盛り上がりを見せる「サメ映画」

スティーヴン・スピルバーグ監督が27歳のときに撮ったパニック映画『ジョーズ』(1975年)は、世界的な大ヒット作となりました。巨大な人食いザメがビーチを襲うというシンプルな物語ですが、『ジョーズ』がきっかけで「サメ映画」というジャンルが確立されました。
その後、実話ベースの『オープン・ウォーター』(2003年)、ジェイソン・ステイサムが絶滅したはずの超巨大ザメと戦う『MEG ザ・モンスター』(2018年)がヒットするなど、脈々と「サメ映画」は歴史を重ねてきました。
東京・池袋HUMAXシネマズでは2026年7月から8月にかけて、「第三回国際東京サメ映画祭」が開催されています。7月18日(土)にはマーク・ポロニア監督の『キャット・シャーク』、7月20日(月)には河崎実監督の『シャーズ51』、クロージング作品として8月2日(日)には『温泉シャーク2 九州大決戦』など、多彩な「サメ映画」がプレミア上映される予定です。
なぜ「サメ映画」は近年になって大きな盛り上がりを見せているのでしょうか。「サメ映画」の代表作を取り上げながら、独特な人気の秘密を探ります。
サメ映画の「常識」を破った作品があった?
サメ映画ブームの火つけ役となったのは、米国のテレビ映画『シャークネード』(2013年)でしょう。竜巻に乗ってサメたちが空から降ってくるという奇想天外な設定です。「サメは海にいるもの」「海に入らなければ安心」といった常識を、『シャークネード』は覆してみせたのです。
巨大台風に見舞われたロサンゼルスに、もはや安全な場所はありません。丘の上の屋内にも、高齢者施設のプールにも、サメが現れます。黙ってサメに食われるか、サメと戦うかの選択をロス市民は迫られます。
ほとんどの「サメ映画」は超低予算で製作されており、有名俳優が登場することも少ないのですが、「サメが登場さえすれば、なんでもOK」という自由度の高さが「サメ映画」の魅力となっています。CGやキャストの演技がチープでも、サメをどのように登場させるかのアイデア次第で成立してしまうという、オープンマインドなジャンルとなっています。
河崎監督の最新作『シャーズ51』では、サメは二足歩行するようになり、海から離れた森を歩いていてもサメに襲われることになります。カナダ映画『ウィジャ・シャーク 霊界サメ大戦』(2020年)では、ゴーストになったサメが襲ってきます。浮遊する霊体なので、どこにでも出没可能です。
「いやいや、ありえないから!」
観客はスクリーンにそんなツッコミを入れながら、サメ映画を楽しむのがお約束となっています。従来の受け身型の映画鑑賞とは違い、ユーザーがネットミームを育てるような観客参加型の上映となっているのも「サメ映画」の特徴でしょう。




