『ガス人間』配信で期待集まる? 伝説の特撮『マタンゴ』 人がキノコに変わっていくトラウマ映画
東宝の特撮映画「変身人間」シリーズは、『美女と液体人間』『電送人間』『ガス人間第1号』が製作され、どれも根強い人気を誇っています。そして、番外編として位置づけられているのが1963年に劇場公開された『マタンゴ』です。東宝の美人女優である水野久美さんが、不気味かつ妖艶な「キノコ人間」に変わっていく姿から目が離せなくなります。
現代人に突き刺さる人間描写

泣ける特撮映画『ガス人間第1号』(1960年)が、小栗旬さん主演のNetflixシリーズ『ガス人間』としてリブートされました。2026年7月2日から配信が始まっています。
オリジナル版となる『ガス人間第1号』は、大ヒット怪獣映画『ゴジラ』(1954年)でも知られる本多猪四郎監督の代表作のひとつです。ガス人間の出現シーンを描いた特撮技術に加え、ガス人間こと水野(演:土屋嘉男)と踊りの師匠である藤千代(演:八千草薫)との歪んだ恋愛感情の行方が忘れられない作品です。
本多監督が『ガス人間第1号』の脚本家である木村武(本名:馬淵薫)氏と再度タッグを組んだ『マタンゴ』(1963年)も、濃厚な人間ドラマが繰り広げられる特撮映画の名作です。『ガス人間第1号』に続き、土屋嘉男さんがメインキャストとして登場します。
人間の内面の変化まで描いた『マタンゴ』は、『ガス人間第1号』以上に現代人に突き刺さる作品とも言えるでしょう。夏休みなどにローカル枠でたびたびテレビ放送されていたので、『マタンゴ』の不気味さが子供心にトラウマを刻んだ人もいるかもしれません。
無人島に流された若者たちのサバイバル
謎めいたタイトルの『マタンゴ』は、こんなストーリーです。青年実業家の笠井(演:土屋嘉男)ら7人の若い男女が豪華ヨットでクルージングを楽しんでいたところ、嵐に巻き込まれてしまいます。ヨットが漂着した先は、うっそうとした無人島でした。
無人島には食料になるものは少なく、怪しいキノコばかり生えています。無人島での生活にはお金はまるで役に立たず、雇用主と被雇用者という上下関係もなくなります。空腹と絶望感から、彼らの理性は次第に崩れ始めます。
先にこの島に難破していた船に残された日誌には、「マタンゴ」と呼ばれるキノコは危険であることが記載されていました。やがて、彼らの前に巨大なキノコのような姿をした怪物が現れます。マタンゴを食べた船員の末路でした。それでも空腹に耐えかね、ひとりまたひとりと、マタンゴを口にすることになります。
キノコの怪物を天本英世さんが演じたことがファンの間では知られていますが、キノコの怪物以上に恐ろしいのが、剥き出しになった人間の本能です。通信手段もなく、食料もないという極限状態に置かれ、人間が変わっていく姿が生々しく描かれています。
心理学者の村井(演:久保明)は、最後まで懸命に理性を保とうとします。しかし、映画は衝撃的なエンディングを迎えることになります。




