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「東京国際サメ映画祭」開催中。サメが空を飛び、歩き、合体変異する独自進化の歴史

サメの進化は「加速している」?

多頭ザメシリーズの最終作となったアサイラム社の『シックスヘッド・ジョーズ』
多頭ザメシリーズの最終作となったアサイラム社の『シックスヘッド・ジョーズ』

 サメ自体が驚異的な進化を遂げている点も見逃せません。多頭ザメが襲ってくる『ダブルヘッド・ジョーズ』(2012年)も人気シリーズとなっており、シリーズ最終作『シックスヘッド・ジョーズ』(2018年)まで製作されています。もはやサメというよりも、ケルベロスかヤマタノオロチのような形状となっています。パロディ作品で知られる米国のアサイラム社の量産ぶりには感心させられます。

 進化系サメ映画でおすすめしたいのは、『ロボシャークvs.ネイビーシールズ』(2015年)です。宇宙から飛来した未確認飛行物体をサメが飲み込み、ロボシャーク化するというものです。巨大な生物兵器となったロボシャークを、アメリカ海軍が迎え撃つことになります。

 今回のサメ映画祭に来日することが決まっているマーク・ポロニア監督の人気作『KANIZAME シャークラブ』(2023年)には、カニとシュモクザメが合体した新種の生物が登場します。サメとタコが合体した『シャークトパス』(2010年)など、サメと何を組み合わせてもOKなのが「サメ映画」の醍醐味となっています。

 1970年代の人気特撮ドラマ『仮面ライダー』のゲルショッカーが作り出していた「合成怪人」を思わせる遊び心のある世界です。

日本でも製作されていた異色のサメ映画

 食物連鎖の最上位に位置するサメが、ありえないものと対決する「VS」シリーズも人気です。米国のビデオ映画『メガ・シャークVSジャイアント・オクトパス』(2009年)は、タイトルのまんま巨大ザメが巨大ダコと戦うというお話です。アサイラム社に、日本の配給会社が提案した企画です。複雑化した現代社会では、こうしたひねりのなさが逆に人気となっているようです。

 VSもので見応えがあるのは、日本のホラーレーベル「エクストリーム」が配給した『妖獣奇譚 ニンジャVSシャーク』(2023年)です。こちらもタイトルにあるとおり、忍者と巨大ザメが対決するアクション時代劇となっています。

 ハリウッド帰りの坂本浩一監督が手掛けており、低予算映画ながら殺陣シーンはなかなかの迫力です。キャストも『ウルトラマンZ』の平野宏周さん、『仮面ライダーゴースト』の西銘駿さん、『仮面ライダー電王』の中村優一さん、『仮面ライダーガッチャード』の宮原華音さんらが共演しており、特撮ファンは見逃せない豪華なサメ映画となっています。

 こうして振り返ると、スピルバーグ監督の『ジョーズ』から半世紀の間に、サメ映画は実に多種多様な変化を遂げてきたことが分かります。『ジョーズ』がシンプルかつパワフルな作品だったからこそ、ここまで進化を遂げてきたのでしょう。

 サメ映画、それは人類が最も自由にイマジネーションを解放できる創造的なジャンルであり、最後の秘境なのかもしれません。

(長野辰次)

【画像】「マジか」「その発想は、ない(笑)」 これが常識を完全破壊する「サメ映画」たちです(6枚)

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長野辰次

フリーライター。映画、アニメ、小説、マンガなどのレビューや作家インタビューを中心に、「キネマ旬報」「映画秘宝」などに執筆。現在公開中の『八犬伝』(キノフィルムズ配給)の劇場パンフレットなどにもレビューを寄稿している。

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