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『ウルトラセブン』主題歌の「極彩色」背景が想像の10倍以上… 何度もやり直して「大赤字」?

「セブン」主題歌の背景は サイケデリックな渦模様です。あの渦模様に関して、ちょっとした驚きの事実がありました。

「想像していたのと違った」制作現場のとんでもないスケール

『ウルトラセブン』タイトルロゴ (C)円谷プロ
『ウルトラセブン』タイトルロゴ (C)円谷プロ

『ウルトラセブン』の主題歌は、特撮ファンでなくとも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。「セブン セブン セブン」お馴染みの雄壮なコーラスを聞くと、「ウルトラセブン」や「ウルトラホーク」のシルエット、そしてその後ろでうごめく、極彩色の背景が自然と浮かんできます。

 ところで、「極彩色の背景」の制作に関しては、ちょっと驚くべき事実がありました。

 改めて、あのオープニングの背景を見てみましょう。『ウルトラセブン』のタイトルが表示された直後、第1話なら「姿なき挑戦者」とサブタイトルが表示されます。その背景には赤と橙のド派手な模様が渦を巻き、やがて鮮やかな水色と黄色にその色彩を変えます。

 ファンなら幼少期から、何度眺めたかわからない、おなじみの映像です。この「制作背景」はどのようなものだったのでしょうか。

 まず大前提として、この模様を生み出していたのは「水」です。水槽に水を溜め、俯瞰カメラで撮影しているところに、さらに大量の水を落として、また大きな渦を作ります。

 その渦の映像に、「ソラリゼーション」と呼ばれる露光を過多にする加工を施し、光学処理で着色したら、あのような独特のサイケな背景が出来上がるのです。

 この映像は「渦の巻き方」がうまくいかず、何度も何度もやり直し、予想以上に労力とお金がかかってしまいました。これには、監修の円谷英二氏もカンカンだったとか。

 さて、筆者は撮影技術に関して全くもって不案内であるがため、このエピソードを聞いた時、うかつにも「それほど労力がかかるものなのか」など、愚かな感想を抱いてしまいました。

(とはいえ、他にも同様の感想を抱く方がいる前提で、話を進めさせていただきます)

 そしてこの感想は、あの背景映像に対する「大きな誤解」に由来していました。

 実相寺昭雄監督の著書『ウルトラマンに夢見た男たち』には、この背景映像の制作過程が記されており、その現場を再現した挿絵も載っています。それを確認してみると、とにかく水槽が巨大なのです。

 勝手に、金タライ程度の大きさを想像していたのですが、全く違います。挿絵を見る限り、下手すれば10メートル四方はあろうかという大きさでした。それこそ、特撮シーンで用いるような巨大プールのようです。

 このスケールの水槽に、上述の通り大量の水を張り、そこへ巨大タンクに貯めた水を落として、渦を作っていたのです。前提がまるで違います。水槽のふちでは、スタッフが「湯もみ」の要領で、うねりを調整していました。その労力たるや、相当なものであったに違いありません。

 仮に今、横幅1メートルのテレビ画面で『ウルトラセブン』を視聴したとしても、あの背景の大きさはその約10倍(目算)、ウルトラセブンの巨大さを実感するには、十分すぎるものだったのです。

(片野)

【画像】「えっ、多い…」 これが番組途中で退場した「昭和のウルトラヒロイン」たちです(5枚)

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片野

構成作家。1960年代カルチャーを好む。これまでに「ウルトラ」シリーズをはじめとする特撮番組、「ドラゴンクエスト」「ポケットモンスター」など国民的RPGシリーズ、ギャグマンガのジャンルで記事を多数執筆。

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