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『カリオストロの城』レジェンド声優が宮崎駿に放った「意外すぎる一言」 映像を見て態度が一変…?

『ルパン三世 カリオストロの城』の試写会で、声優の山田康雄さんは宮崎駿監督に土下座せんばかりの謝罪をしたと言います。いったい、どうしてでしょうか。

「ルパンなら俺に任しておけ」ところが「試写会」の後に態度は豹変

映画『ルパン三世 カリオストロの城』ポスタービジュアル 原作:モンキー・パンチ (C)TMS
映画『ルパン三世 カリオストロの城』ポスタービジュアル 原作:モンキー・パンチ (C)TMS

 1979年公開の『ルパン三世 カリオストロの城』は、巨匠・宮崎駿の映画初監督作品です。公開当時、興行成績としては「大成功」と言えなかった本作ですが、その演出、作画、構成、あらゆる点において後年のアニメイターに大きな影響を与えたのです。

 少なくとも宮崎駿への評価は、業界内でさらに高まったと言えるでしょう。そしてその才能に絆されたのは、同業者だけではありません。「ルパン三世」の初代声優を務めたレジェンド、山田康雄さんもまた、宮崎駿の才能に圧倒されたひとりであったのです。

 そしてこのふたりの間には、ファンの有名な「謝罪エピソード」があります。いったい何が起きたのでしょうか。

『カリオストロの城』のキャラクターデザイン、そして作画監督を務めたアニメ界の偉人、大塚康生さんの著書『作画汗まみれ 改訂最新版』(文春ジブリ文庫)に、その経緯が記されています。

 それは山田さんをはじめとした声優陣に、未編集の素材である「ラッシュ・フィルム」を見てもらう前の打ち合わせの時のこと。

 宮崎駿監督は、山田さんに今回のルパンの演じ方について、「これまでと調子を変えて」と、それこそ山田さんが長年吹替を演じてこられた俳優クリント・イーストウッドのような、抑えめの演技を要求しました。

 それに対し、山田さんは「ルパンはまかしときな! 今さらごちゃごちゃ言われたくねーよ、ルパンは俺が決めてるンだ」と返したそうです。

 この発言がどこまで「真実」であったかは神のみぞ知るところですが、宮崎駿監督はこの時、歯を食いしばったような険しい表情を浮かべてたと言います。そりゃあ主演に、このような態度を取られたら、たまったものではないでしょう。

 ところが、いざラッシュを観た山田さんの態度は一変します。宮崎駿監督のもとへ向かうと、床に手をつかんばかりの勢いで、

「監督、先ほどは大変失礼なことを言いまして申し訳ございません。どんなことでもおっしゃって下さい。何百回でもやり直します」

と、謝罪したというではありませんか。今や「説話」になりつつあるエピソードです。

 山田さんはなぜ、そんな横柄な態度を取ったのでしょうか。大塚さんの推測によれば、当時連載されていた『新ルパン』における「ルパン」のキャラクターが、お調子者一辺倒で、山田さんはそれに不満を感じてたといいます。

 山田さんは『ルパン』の基盤にある美学を支えているのが、自分自身であるという強い自負があったのでしょう。そうした背景もあって、若手監督(といっても公開当時、宮崎駿監督は38歳)にとやかく言われたくなかった、ということです。

 こうした思いがあったからこそ、山田さんは『カリオストロの城』に深い感銘を受けたました。そこに描かれていたルパンは、単なるお調子者ではない、それこそ理想像に近い、粋な大人だったのです。

 実際、山田さんは『カリオストロの城』については「これがオシャレの神髄、ルパン三世という作品の神髄ではないだろうか」と大絶賛のコメントを寄せました。

 当初は衝突したふたりが、その作品をもって理解し、態度を改める。『カリオストロの城』という作品が持つ底力、そして山田康雄の強いプロフェッショナルを感じさせる逸話でした。

(片野)

【画像】「えっ、ルパンと次元だけじゃないの?」 実は「五ェ門」も乗ってた、『カリオストロの城』OPのカーチェイス(3枚)

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片野

構成作家。1960年代カルチャーを好む。これまでに「ウルトラ」シリーズをはじめとする特撮番組、「ドラゴンクエスト」「ポケットモンスター」など国民的RPGシリーズ、ギャグマンガのジャンルで記事を多数執筆。

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