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宮崎駿がエプロン姿で構想? アニメ界の巨匠が「保育園」を建てた深い理由

「ジブリが作った保育園がある」という噂があります。果たして本当なのでしょうか?調べてみると、『崖の上のポニョ』との不思議なつながりがありました。

宮崎駿監督が映画『ポニョ』と同時に作った施設?

「さかなの子」ポニョたちが描かれる『崖の上のポニョ』の場面 (C)2008 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NDHDMT
「さかなの子」ポニョたちが描かれる『崖の上のポニョ』の場面 (C)2008 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NDHDMT

「スタジオジブリ」の近くには、ジブリの子供たちを育てる保育園がある……そんなうわさを耳にしたことはないでしょうか。少なくとも、筆者は聞いたことがあります。

 このうわさにおける「ジブリの子供たち」とは、ジブリで働く人たちの子供という意味でしょう。確かに、想像はできます。宮崎駿監督が、エプロン姿のまま、子供らと園庭でどんぐりを探したり、おにぎりを食べたり……そんな映像が浮かんできます。

 さて、この噂は本当なのでしょうか。もちろん、企業によっては、社員の子供を預かる「託児所」を設けているところもあります。ただし「保育園」となると、話は別です。

 保育園は、託児所以上に、設置まで厳しい条件が課せられています。施設面積、保育士数、必要設備、これらすべてをクリアしなくてはなりません。そんなことを、わざわざジブリがするでしょうか。

 実際はというと……ジブリの保育園は実在していました。

 スタジオジブリは東京都の小金井市に、本社を構えています。東京都のなかでも、とりわけ緑の多い地域です。その本社の近くに確かに、その保育園はあるのです。

 名称は「三匹の熊の家」。赤と緑の屋根、そしてステンドグラスが素敵な、実に趣(おもむき)のある保育園なのです。

 どのようにして設立されたのでしょうか。この保育園が誕生したのは、2008年のこと。この年は『崖の上のポニョ』(原作・脚本・監督:宮﨑駿)が公開された年でもあります。

 保育園の設立と『崖の上のポニョ』は密接に関連しています。というのも、『ポニョ』がまだ企画段階だった頃、保育園が舞台の童話『いやいやえん』(作:中川李枝子作、絵:大村百合子)を原作にした作品が構想されていました。

 ところがある日、宮崎駿監督は、鈴木敏夫プロデューサーに「保育園の映画を作ろうと思っていたけど、本物の保育園を作りたい」という提案したのです。

 映画でなく、保育園を作りたい……スケールが異次元です。宮崎駿監督は、当時について、『いやいやえん』の作者、中川李枝子さんとの対談で、次のように語っていました。

「まわりに保育園の問題でどうしようかと思ってるお母さんたちがずいぶんいた時期なんです。(中略)そばに子どもたちがいたらどんなにお母さんたちがホッとするだろうと思って、それだけのことです。」

 動機としては実にシンプルではあります。一方で、保育園の設備には、宮崎駿監督らしいこだわりもあります。例えば、子供が触れる箇所はコンクリートを置かない(石を置く)、やや高い縁側を設置しました。(もちろん安全基準は満たしています)

 この保育園は、現在も運営されています。宮崎駿監督の理想が詰まった「聖地」と言えるかもしれません。とはいえ、通っている子供らが安心して過ごすためにも、ファンはむやみに近づいてはならない、そんな「聖地」なのです。

(片野)

【画像】「えっ、まさかそんな」「マジか」これが『ポニョ』のお母さんのモデルとされる生物です(3枚)

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片野

構成作家。1960年代カルチャーを好む。これまでに「ウルトラ」シリーズをはじめとする特撮番組、「ドラゴンクエスト」「ポケットモンスター」など国民的RPGシリーズ、ギャグマンガのジャンルで記事を多数執筆。

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