ブラック・ジャックの「ボンカレー」名言には元ネタがあった? 50年後にまさかの「コラボ実現」も
『ブラック・ジャック』の名セリフ「ボンカレーはどうつくってもうまいのだ」、これにはちゃんと元ネタがあったことをご存知でしたか?
「超大御所」が元ネタだった?

医療マンガの金字塔『ブラック・ジャック』(手塚治虫)は、数多くの名セリフでも有名です。例えば、第51話「ちぢむ!!」のラストにおける「医者はなんのためにあるんだ」というセリフは、医療の業に対する魂の叫びとして、現在も引用される名セリフです。
一方、『ブラック・ジャック』の名セリフといえば……意外と多くのファンが、次のセリフを挙げるのではないでしょうか。
「ボンカレーはどうつくってもうまいのだ」
第88話「報復」で、留置場に入れられたブラック・ジャックが、「ピノコ」の差し入れしてくれた「ボンカレー」を見て、ぶっきらぼうに、このセリフをつぶやくのです。
直前まで「カップヌードルとボンカレーばかりもってきやがった……」と、不満そうであるのに、その後、唐突に提示されるボンカレー愛。妙に心が惹かれる場面です。
とはいえ、やはり今読み返しても、なかなか唐突ではあります。それもそのはずで、このセリフは本来、元ネタのある「パロディ」だったのです。
それも、本家「ボンカレー」のCMからの引用です。第88話「報復」が「少年チャンピオン」に掲載されたのが1975年のこと。その当時、「ボンカレー」のテレビCMや誌面広告では、3代目笑福亭仁鶴師匠が起用されていました。
そして、この笑福亭仁鶴師匠の広告で使用されていたのが、「ボンカレーはどうつくってもうまいのだ」というセリフでした。当時の誌面広告でも、そのセリフは確認できます。また、テレビCMでも「どうつくってもボンカレーはうまいのだ」と、わずかに語順が異なりますが、同様のセリフがあります。
早い話が、「CMネタ」だったのです。広告という媒体の性質上、笑福亭仁鶴師匠の「元ネタ」は時代の流れとともに忘れられていき、気づけばパロディだったはずの『ブラック・ジャック』の名セリフが広がり、一般化していきました。
なお2018年には「ボンカレー50周年」を記念して、『ブラック・ジャック』との公式コラボ広告も作られました。名作『ブラック・ジャック』が、当時のCMを真空パックしてくれた、とも言えます。
(片野)

