「SDガンダム vsワタル」 低等身キャラが競い合った、80年代玩具業界の「熱い攻防」
昨今の可愛い系キャラといえば、ディフォルメキャラが当たり前です。しかし昭和の頃はまだ主流ではありませんでした。可愛い=ディフォルメを広めた要因は何だったのでしょうか。
思いがけず「競い合う」関係に?

1980年代後半、低等身キャラクターが子供を中心にもてはやされ、通称「SDブーム」といわれる時期がありました。そのブームは、さまざまな方角に影響を及ぼします。
もともと「SD」とは、1985年6月にガシャポンで販売開始した「SD(スーパー・ディフォルメ)ガンダム」という商品が語源でした。本来は兵器であるMS(モビルスーツ)を、可愛らしく二頭身にディフォルメした商品です。
「ガンダム」という作品の対象年齢から考えると、子供だけを狙った商品ではなかったのですが、徐々に本来の視聴者層よりも低年齢層に受け入れられるものとなりました。それは、はからずも同じように低等身キャラでヒットしていく「別の商品」との相乗効果だったかもしれません。
それが一大ブームを巻き起こした「ビックリマンチョコ」です。1977年から販売されていたビックリマンチョコは1985年8月から、今では定番となった「悪魔VS天使シール」へとリニューアルされました。
このシリーズが徐々に売り上げを伸ばしていき、空前の大ヒットとなります。一方のSDガンダムも1988年6月から「カードダス」という自動販売機によるカード販売で、その人気に拍車をかけることとなりました。
ビックリマンは1987年10月からのアニメ化などで勢いを増していきましたが、公正取引委員会による勧告により、1988年11月に販売した第17弾以降はシールのレアリティを均等化することとなります。これがきっかけでブームに陰りが見え、やがて終息していきました。
もっとも、ここに至るまでビックリマンと同じ層を狙ったシール付き菓子はいくつか販売され、以降も「低等身キャラ」のブーム自体は続くことになります。そして入れ替わるように子供たちの心をとらえたアニメがありました。それが1988年4月から始まった『魔神英雄伝ワタル』です。


