なぜ「幻の存在」なのか? 「パーフェクトガンダム」宇宙世紀における微妙な立ち位置とは
「パーフェクトガンダム」は、板野一郎氏の落書きから生まれ、マンガ『プラモ狂四郎』の「顔」として人気を博した機体です。しかし、他のガンプラとは異なり、正式な商品として発売されるまでに1年以上もかかりました。なぜこの人気機体は、これほどまでに「微妙な扱い」を受け続けたのでしょうか?
ガンダム初の「雑誌デビュー」機体だった?

「RX-78 ガンダム」の系列機のなかでも人気の高い機体が「パーフェクトガンダム」です。同機は、その誕生から他のMS(モビルスーツ)にない経歴を持っていました。
当初、『機動戦士ガンダム』の原画担当だった板野一郎さんが仕事の合間に描いた落書きが始まりだったそうです。それが数奇な運命を辿り、マンガ『プラモ狂四郎』(1983年3月号)に登場したことで世に出ることになりました。余談ですが、この時の板野さんの落書きには「パーフェクトジオング」も描かれていたそうです。
マンガ雑誌「コミックボンボン」に連載されていた『狂四郎』は、当時すでに人気マンガでしたが、このパーフェクトガンダムの登場によって、人気をさらに加速させることになりました。それまでの『狂四郎』にはオリジナル主役ロボといえる存在はなく、パーフェクトガンダムが「主役機第一号」ともいえる存在になったからです。
こうして『狂四郎』の「顔」となったパーフェクトガンダムには、最大の問題がありました。それは他のガンプラと違い、販売された商品ではないことです。そのため、「ボンボン」では作り方を掲載することになります。
しかしその作り方というのが、「足をバルサで箱を作り覆う」「肩はバルサまたはプラ板張り合わせの箱を削り出す」「背中のバーニアなどは他のプラモデルから流用」など、メイン読者である小学生には難易度の高いものでした。
結果的に、1984年6月に「MSV」シリーズ30番目の商品として「1/144 RX-78 パーフェクトガンダム」が販売され、ようやくファンがガンプラとして入手できるようになりました。これも余談ですが、翌月の1984年7月には「1/250 MSN-02 パーフェクトジオング」も販売されました。
マンガで「パーフェクトガンダム」が登場してから1年以上もガンプラが出なかった理由は、想像することができます。パーフェクトガンダムには他のMSにはない複雑な事情がありました。



