なぜ「幻の存在」なのか? 「パーフェクトガンダム」宇宙世紀における微妙な立ち位置とは
登場から1年でやっと「ガンプラ」発売… 微妙な扱いを受けた理由は?

パーフェクトガンダムは宇宙世紀由来のMSですが、正式な歴史に組み込まれた存在ではありません。機体設定では「地球連邦軍」が情報操作用に制作したCGによるフェイクの可能性を示唆しています。
パーフェクトガンダムの装備から想像できますが、そのスタイルは当時リアル方向に進んでいたガンプラと相いれないものでした。実際、パーフェクトガンダムをベースにMSVでは「FA-78-1 ガンダムフルアーマータイプ(現在はフルアーマーガンダム)」が設定されました。
フルアーマーガンダムも後に『狂四郎』に登場し、「パーフェクトガンダムII」と呼ばれるようになります。その後には「パーフェクトガンダムIII」として「レッドウォーリア」も登場しました。
ガンダム世界の歴史では微妙な立ち位置だったこのパーフェクトガンダムが、なぜ人気を集めたのでしょうか。小学生には、リアルなMSよりもヒーロー然としたガンダムが輝いて見えたからではないでしょうか。リアルな戦闘兵器としてMSをとらえるのは一定以上の年齢層で、小学生にとってガンダムは変わらぬヒーローロボットだと考えると、合点がいきます。
当時のMSはすべて宇宙世紀の兵器という概念があったため、苦肉の策としてパーフェクトガンダムは「幻の存在」として組み込まれたのかもしれません。もっとも現在は「ガンダムビルド」シリーズのように作品のなかでも「ガンプラ」として設定できるので、より自由度の高いMSのバリエーションが生まれるようになっています。
このガンダムが人気商品となることは、現在では当たり前となりました。なぜなら販売されるMS関係の商品はガンダムばかりです。リアルでありながらも同時にヒーローとしての外連味(けれんみ)を持つ、それこそがガンダムの魅力ではないでしょうか。
(加々美利治)



