大ヒットアニメ『赤ずきんチャチャ』 玩具事情で「大幅改変」されても名作になったワケ
1990年代から増えていった少女漫画のアニメ化。その中で他とは違うアニメ化をされたのが『赤ずきんチャチャ』でした。背景には、当時「少女マンガのアニメ化」の流れやスポンサーの以降など、ざまざまな要因がありました。それでも、同作はマンガ・アニメともに成功した作品として視聴者に記憶されることになります。
「少女マンガのアニメ化」促進したオモチャ事情

1990年代から、少女マンガのアニメ化が多くなりました。それには「週刊少年ジャンプ」のメディア戦略によるアニメ化成功の影響が少なからずあったと思われます。順調にアニメ化されて知名度が上がっていった少女マンガでしたが、ひとつだけ原作マンガとストーリー展開が大きく変わったものがありました。1994年1月7日からテレビ東京系列で放送開始した、『赤ずきんチャチャ』です。
筆者がマンガ『赤ずきんチャチャ』を知ったのは、連載されていた月刊誌「りぼん」を妹が定期購読していたからです。男性にとって少女マンガは苦手なところもありますが、ギャグマンガには男女の違いはあまり感じられませんでした。
ですから、後に国民的アニメとなるさくらももこ先生の『ちびまる子ちゃん』、実写ドラマ化された『お父さんは心配性』の岡田あーみん先生のギャグセンスには注目していました。
そんな時、彩花みん先生の『赤ずきんチャチャ』の連載が始まり、一瞬にして心奪われました。どれくらいファンになったかというと、筆無精な私がファンレターを送ったほどです(ちなみに、他の漫画家先生には送ったことはありません)。
そんなわけで、アニメ化の情報が発表されたときは大喜びでしたが、情報が解禁されて不安に思うことがあったのです。それは、番組紹介に書かれた「マジカルプリンセスに変身」でした。その意味不明な一文を不安に思ったものです。
このアニメオリジナル展開はスポンサーの意向でした。当時、女児向けオモチャとあわせてヒットしていたアニメ作品『美少女戦士セーラームーン』の影響で、バトル要素を盛り込みたかったのでしょう。
もともと少女マンガのアニメ化でネックとなっていたのが、メインスポンサーとなる玩具メーカーで販売するオモチャでした。
最初はあまりセールスが期待されていなかった『ちびまる子ちゃん』でしたが、バッジや小物などがヒット商品となっていました。このヒットが少女マンガのアニメ化が進んだ理由のひとつでもあります。しかし、少女マンガではオモチャにできるようなアイテムは少なく、逆にオモチャをアイテムとして作品に出すという方法が行われました。
この方法は、少女マンガがアニメ化される際の定番となり、後の少女マンガ原作のアニメ作品でもよく行われるようになります。みなさんも登場人物たちの持っている小道具がオモチャと一緒だと思ったこと、ありますよね?