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大ヒットアニメ『赤ずきんチャチャ』 玩具事情で「大幅改変」されても名作になったワケ

「オリジナル展開」への不安を吹き飛ばした、プロの仕事

原作マンガ『赤ずきんチャチャ』第1巻(集英社)
原作マンガ『赤ずきんチャチャ』第1巻(集英社)

 こうして、マンガとは違った物語になるかと思った『赤ずきんチャチャ』でしたが、その不安はすぐに吹き飛びました。それは、原作マンガの流れ通りにギャグの連発だったからです。

 てっきりバトルものの要素が強くなるかと思ったのですが、そんなことはありませんでした。しかも、マジカルプリンセスの変身バンクシーンから必殺技バンクシーンまでの流れは、『水戸黄門』でいう印籠が出てくる形式美のパターンを思わせる、物語の流れを壊さない絶妙なものだったのです。

 たいへん優秀なアニメスタッフたちが、原作マンガへのリスペクトを込めて制作したことがわかる、クオリティの高さが光る作品でした。むしろ、アニメオリジナルのギャグの方がハチャメチャだった時があったくらいです。

 その評判は瞬(またた)く間にアニメファンの目に留まり、放送前はあまり評判にならなかった作品だったにもかかわらず、アニメ雑誌の紙面で特集されることが増えていきます。

 オモチャのセールスも好評でした。その結果、最終的には放送も半年ほど延長されて約1年半、全74話が放映されました。しかも放送終了後半年ほどでOVA(オリジナルビデオアニメ)が3巻発売されています。これは、それだけの人気があったアニメ作品だったという証明だったと思います。

 追記することは原作マンガにもあります。アニメオリジナルキャラだったはずのキャラが、その後の原作で登場していることです。

 アニメでは強敵として登場し、ギャグ要素のなかったしいねちゃんの父親アクセルですが、原作マンガではしいねちゃんが好き過ぎて騒動のもとになるトラブルメーカーとして描かれています。

 また、マンガオリジナルキャラの大魔王の息子の平八が、魔王の仕事をするときに着替えるコスチュームがアニメ版大魔王となっています。もちろんギャグ演出です。

 このように、原作とアニメが異なる方向に進みながらも、それぞれをリスペクトして双方を際立たせた『赤ずきんチャチャ』は、原作とアニメどちらも甲乙付けがたい名作だったと思います。

(加々美利治)

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