「異世界作品への偏重」からの脱却を目指すKADOKAWA 本当の課題は「仕組み」にある?
KADOKAWAが月刊誌「ダ・ヴィンチ」の休刊と早期退職募集を相次いで発表し、その経営の行方に注目が集まっています。営業益51%減という厳しい決算を受け、「異世界作品への偏重」からの脱却を掲げるKADOKAWAですが、果たしてそれは本当に問題の核心なのでしょうか?
「異世界作品」そのものが失速したわけではない?

KADOKAWAが月刊誌「ダ・ヴィンチ」の紙媒体を2026年11月号で休刊すると発表しました。6月からは45歳以上で一定の職級に属する勤続5年以上の社員を対象とした早期退職の募集もスタートします。「物言う株主」オアシスによる、夏野剛CEOの解任を求める動きも続いています。果たしてKADOKAWAはこれからどうなっていくのでしょうか?
「ダ・ヴィンチ」休刊の情報は、SNSで驚きをもって迎えられました。1994年にリクルートで創刊され、メディアファクトリーを経て2013年以降はKADOKAWAが出版していた「ダ・ヴィンチ」は、紹介が文芸に偏りがちだった時代から、マンガやライトノベルの特集を行うなど、時代の最先端を行く雑誌として存在感を放っていました。Webでの展開は続きますが、大きなカルチャーがひとつ消滅してしまうような喪失感を感じさせます。
「ダ・ヴィンチ」の休刊には、紙や印刷費の高騰、書店の減少、雑誌を読む習慣の減少など複合的な理由があると思われますが、やはり先日大きな話題となった、26年3月期決算が「営業益51%減」となったことは影響しているでしょう。売上高は約2829億円とプラス成長しており、決して悪くはありません。それでもKADOKAWAは、「異世界作品に偏重しすぎた」と声明を出してリストラを敢行しようとしています。
ただ、これは異世界作品のブームに陰りが見え始めているのかというと、そうとも言えません。
例えば、異世界作品を多く出している株式会社オーバーラップの2026年8月期第2四半期は、売上収益が約41億円、営業利益12億円と、かなりの高利益を達成しています。2025年に「水属性の魔法使い」でヒットを出したTOブックスも、売上高82億4900万円、最終利益9億4700万円と大きな利益を出しています。異世界作品は十分人気を獲得しているのです。


