『スケバン刑事』の和田慎二先生 急逝から14年 惜しまれる『傀儡師リン』などの未完作
斉藤由貴さん、南野陽子さん、浅香唯さんらの主演作として実写ドラマ化された『スケバン刑事』は、1980年代に大ブームを呼びました。原作者・和田慎二氏は『スケバン刑事』以外にも『ピグマリオ』がTVアニメ化されていますが、未完のままの作品も多く残されています。和田慎二氏の漫画界での功績を振り返ります。
セーラー服姿で戦う美少女たち

「戦う美少女」という設定のアクションものやアニメ作品は、『美少女戦士セーラームーン』や『魔法少女まどか☆マギカ』などですっかり定番化しています。このジャンルの先駆作となり、大ヒット作となったのが和田慎二氏の人気マンガ『スケバン刑事』です。
少女マンガ誌「花とゆめ」(白泉社)で『スケバン刑事』は1975年から1982年にかけて連載され、1985年には東映で実写ドラマ化、さらには劇場公開作も制作され、セーラー服姿で戦う美少女アイドルたちの学園ドラマが1980年代は大ブームとなりました。
和田慎二氏は『スケバン刑事』の原型となる学園アクションもの『銀色の髪の亜里沙』、SF作家・筒井康隆氏からの影響を受けたであろう『超少女明日香』など、美少女が強大な敵と戦う人気マンガを、1970年代から次々と発表しました。
少女漫画の枠を越えて大活躍した和田慎二氏ですが、2011年7月5日に急逝しています。まだ61歳と、これからの年齢でした。
『ガラスの仮面』の北島マヤと共演した麻宮サキ
クールな美少女キャラのかっこよさに加え、読者を引き込むストーリーテラーぶりで和田慎二作品は高い人気を誇りました。1974年に創刊された「花とゆめ」で連載された『スケバン刑事』は、美内すずえ氏の演劇大河ロマン『ガラスの仮面』と二大看板となり、人気を競い合いました。このころの「花とゆめ」は、魔夜峰央氏のギャグマンガ『パタリロ!』、1995年に亡くなった三原順氏の『はみだしっ子』など、実に多彩な作品が並んでいました。
和田慎二作品は人気キャラが他の作品にちょくちょく登場するので、おなじみでした。『スケバン刑事』の私立探偵・神恭一郎、沼重三先生、信楽老らは他の和田慎二作品にもたびたび登場しています。当時はまだそんな言葉はありませんでしたが、「和田慎二ユニバース」が構成されていたわけです。
和田慎二氏のそんな遊び心が最高に炸裂したのは、『スケバン刑事』の番外編「ガラスの仮面編」でしょう。このエピソードでは、なんと『スケバン刑事』の麻宮サキと『ガラスの仮面』の北島マヤが共演を果たしています。
実は神恭一郎は『ガラスの仮面』の速水真澄とは大学時代の親友だったという裏設定があり、神とサキは舞台公演中のマヤを警護することになります。マヤを狙う凶悪犯をサキは見事に捕まえますが、犯人の正体の意外さには思わず笑ってしまいます。
人気を競った『ガラスの仮面』と『スケバン刑事』の主人公たちが共演できたのは、当時の少女マンガ誌に自由度の高さがあったからでしょう。原作の『スケバン刑事』は殉職したサキの魂が高校に現れ、卒業証書を受け取るという驚きの結末でした。連載開始から50年となる『ガラスの仮面』は、いったいどんなフィナーレを迎えるのでしょうか。




