「もう一度アニメ化を」封印された大ヒット作『キャンディ キャンディ』の最終回を覚えてる?
日本だけでなく世界じゅうで愛された少女マンガの傑作『キャンディ キャンディ』。実は原作とアニメの最終回は大きく異なっていました。
アルバートさんが全部持っていく最終回

『キャンディ キャンディ』(原作:水木杏子、作画:いがらしゆみこ)は、原作、アニメとも爆発的なヒットを記録した少女向けマンガ・アニメの金字塔的な作品です。明るく前向きで行動力の塊のような孤児の少女「キャンディ」が、さまざまな人たちと出会いと別れを繰り返しながら成長していく姿が描かれました。
原作の連載が少女マンガ誌「なかよし」(講談社)で始まったのが1975年の春です。アニメが1976年の秋にスタートして人気に火がつきました。アニメの最終回は1979年2月2日に放送され、その翌日の2月3日に原作の最終回が掲載された「なかよし」が発売されています。それぞれどのような最終回だったのでしょうか?
キャンディは、恋人だった「テリィ」と別れ、親しかった「ステア」が第一次世界大戦で戦死し、心の支えだった「アルバートさん」も姿を消してしまいます。さらにキャンディに嫌がらせを続けてきた「ニール」と婚約することになってしまいました。キャンディに救いの手をさしのべたのは、忠実な執事の「ジョルジュ」です。ジョルジュはキャンディに、キャンディを養女にしたアードレー家の総長「ウィリアム大おじさま」に会うよう助言します。
ここからが原作の最終回です。キャンディが初めて会ったウィリアム大おじさまの正体は、キャンディを支え続けてくれたアルバートさんでした。巨大な権力や財力に興味を持たなかったアルバートさんは、ひとりで旅に出ていたのです。アルバートさんは、亡くなった「アンソニー」、ステアの思い出をキャンディと語り、テリィの動向を伝えると、ニールたちの待つ婚約パーティーに乗り込みます。
キャンディは「エルロイ大おばさま」の前でニールと婚約しないことを宣言、アルバートさんも自らの正体を明かしてキャンディの婚約を認めないことを伝えます。号泣するニールは妹の「イライザ」とともに逃げ出しました。晴れて自由の身になったキャンディは、孤児を育てている「ポニー先生」と「レイン先生」の家の近くで看護婦として働くことを決意し、診療所の「マーチン先生」に別れを告げて、ポニーの家へと向かいます。
先回りして迎えてくれた「アーチー」、「アニー」、「パティ」をはじめとする旧知の人たちが仲良く過ごす姿に、キャンディは感激します。懐かしいポニーの丘へ向かったキャンディを待っていたのは、アルバートさんでした。
「おチビちゃん……わらった顔のほうがかわいいよ……」
この言葉は、6歳の頃、泣いていたキャンディが「丘の上の王子様」にかけられたものと同じでした。初恋の相手が少年時代のアルバートだと気付いたキャンディは、笑顔で駆け寄ります。6歳の頃のキャンディとバグパイプを持った丘の上の王子様の姿が回想されて、ハッピーエンドとなりました。
アルバートさんの謎とき、去っていった者を惜しむ気持ち、恩人たちとの再会などを描き、アルバートさんへの恋心を匂わせつつ、自立して歩みはじめるキャンディの姿を描いた満足感の高い最終回でした。

