ソフィーはネズミを食べ、ハウルは6歳児に? 『ハウルの動く城』意外なその後とは
宮崎駿監督の大ヒット作『ハウルの動く城』の原作には、続編とも言える「姉妹編」が2作あります。ハウルとソフィーのその後は、どのように描かれているのでしょうか?
驚愕!ソフィーの奇想天外な出産

2004年に公開された宮崎駿監督の『ハウルの動く城』は、興行収入196億円を記録した大ヒット作品です。日本映画の歴代興行収入ランキングでは、『国宝』に次いで第8位にランクインしています。そんな本作には、原作小説があり、その続きの物語では意外な展開が描かれていました。
魔法使い「ハウル」と、「荒れ地の魔女」によって90歳の老婆にされた少女「ソフィー」の恋と冒険を描く『ハウルの動く城』は、イギリスの作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんのファンタジー小説『魔法使いハウルと火の悪魔』が原作です。
同作は姉妹編の『アブダラと空飛ぶ絨毯』、『チャーメインと魔法の家』が出版されています。主人公は別ですが、どちらの作品にもハウルとソフィーが登場しており、ふたりのその後を知ることができます。
※この記事では『魔法使いハウルと火の悪魔』、『アブダラと空飛ぶ絨毯』、『チャーメインと魔法の家』のストーリーについての記載があります。
映画『ハウルの動く城』のラストではソフィーとハウルが結ばれており、『魔法使いハウルと火の悪魔』のラストでも、ハウルがソフィーに「ぼくたちって、これからいっしょに末永く幸せに暮すべきなんじゃない?」と申し出て、ふたりは結ばれました。なお、原作のソフィーは、映画よりもはるかに毒舌で気が強い女性として描かれています。
続く『アブダラと空飛ぶ絨毯』は、アランビアンナイトの世界を舞台に、若き絨毯職人の「アブダラ」が「魔神(ジン)」にさらわれた姫「夜咲花」を助けるため、空飛ぶ絨毯と瓶のなかの妖精「ジンニー」とともに冒険をする物語です。
ここで、ソフィーとハウルは意外な形で登場します。なんとアブダラが拾った「真夜中」という黒猫の正体が、ソフィーだったのです。動く城をジンに盗まれたハウルが、ソフィーを猫の姿に変えて逃がしていたのでした。
ソフィーは猫の姿でいる間、ネズミを食べていたと話して妹の「レティー」を驚かせます。妊娠していたソフィーは猫の姿のまま出産しており、真夜中が連れていた子猫の「はねっかえり」は、ハウルとの息子の「モーガン」でした。
そして、アブダラが連れていたジンニーの正体こそが、ハウルだったのです。ジンニーの姿でいる間はとても臆病でしたが、ハウルに戻ると堂々と振る舞ってジンを打ち負かしました。
その後、空飛ぶ絨毯の正体が火の悪魔「カルシファー」だと明かされ、動く城をジンから取り戻したふたりは、国王にアブダラと夜咲花が結婚できるようにかけあって、ハッピーエンドを迎えます。ソフィーとハウルは、ときどき激しいケンカをしながら幸せに暮らしたそうです。
『チャーメインと魔法の家』の主人公は、本が好きな14歳の少女「チャーメイン」です。本作でのソフィーは、チャーメインが暮らすハイ・ノーランドという王国の危機を救うために登場します。
まもなく2歳になるモーガンのお守りをしているのは、カルシファーです。また、本作では6歳ぐらいの金髪の子供「キラキラ」の正体がハウルでした。ハウルは誰かに魔法で姿を変えられたのではなく、国を乗っ取ろうとする悪い王子をあざむくために自ら姿を変えていたのです。
わざと舌っ足らずに「ショフィーは、ぼくのおばしゃんなんだ」と話し、モーガンの世話をしないハウルに、ソフィーはイライラしっぱなしでした。最後にハウルは元の姿に戻って悪い王子の計略を打ち砕き、ソフィー、モーガンとともに動く城で去っていきます。
ソフィーとハウルの軽妙なやりとりは3冊の小説のなかでずっと続いており、映画のふたりとはまた違った姿が楽しめるはずです。
(大山くまお)
