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TV版再現にこだわったPS2版『ウルトラマン』に、シリーズファンも舌を巻いた…?

2004年5月20日は、プレイステーション2用ソフト『ウルトラマン』が発売された日です。ウルトラマンと怪獣たちの戦いを3D格闘ゲームとして描いた本作は、徹底した”テレビ版のシーン再現”でシリーズファンの関心をグッと引き寄せました。

格闘ゲームで「ウルトラマン」の物語・世界観を再現

2004年に発売されたPlayStation2用ソフト『ウルトラマン』(バンダイ)
2004年に発売されたPlayStation2用ソフト『ウルトラマン』(バンダイ)

 2021年は空想特撮シリーズ「ウルトラマン」(以下、ウルトラシリーズ)の誕生から、ちょうど55年目にあたります。円谷プロが半世紀以上も前に生み出した特撮ヒーローの人気は、令和においてもとどまることを知りません。2021年7月10日(土)には新シリーズ『ウルトラマントリガー』の放送が予定され、公開時期調整中の『シン・ウルトラマン』とともに、その注目度はますます高まっています。

 そして本日5月20日は、「ウルトラ」シリーズの歴史に名を残す重要なゲーム作品が生まれた日でもあります。それが、PlayStation2用ソフト『ウルトラマン』です。すでに1991年には同名のスーパーファミコン用ソフト(後に別機種へ移植)がリリースされていましたが、そちらがサイドビュー形式の2D格闘ゲームだったのに対し、PS2版は完全な3D格闘ゲームとして作られたのです。

 17年前の2004年5月20日にバンダイ(現バンダイナムコゲームス)より発売された『ウルトラマン』は、プレイヤーが科学特捜隊の「ハヤタ・シン」となり、怪獣や宇宙人の魔の手から地球を守るべく、M78星雲・ウルトラの国からやってきた”ウルトラマン”へと変身して戦う……というゲームです。

 内容は格闘ゲームですが、メインとなる「ストーリーモード」ではTV版に登場した怪獣・宇宙人と相まみえることに。その面子も「バルタン星人」や「ゴモラ」といった鉄板キャラをはじめ、「ペスター」や「バニラ」(アボラスと同時出現)など、ほかのゲーム作品でもあまり見られないマイナーどころまで、実に多様な顔ぶれが揃っています。こうした強敵たちと主に肉弾戦で渡り合い、必殺技ゲージを溜めて「スペシウム光線」や「八つ裂き光輪」でトドメを刺す……というのが本作の基本的な流れです。

 肝心の戦闘シーンを見ると、ウルトラマンや怪獣・宇宙人たちの動作スピードが重めに設定されているからなのか、爽快感は控えめな一方で重厚感は前面に押し出されており、TV版のミニチュアセットを意識した3D空間をところ狭しと動く彼らの姿には、目を見張るものがあります。

「ベムラー」(ウルトラ作戦第一号)にはじまり、「ゼットン」(さらばウルトラマン)で幕を下ろす。そうしたTV版と同名のエピソード(計11話)を追体験し、「ウルトラマンが地球を訪れて最終的にどうなったのか」をコントローラー越しに味わうことができるのです。

 しかし、本作の特筆すべき魅力はストーリーの追体験にとどまりません。より掘り下げるなら、TV版の追体験を濃密にさせるだけの”徹底した原作再現”にあります。

【画像】ゲームでも伝説を創り上げた…ウルトラシリーズの格闘ゲーム作品たち(7枚)

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