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角川映画祭で上映の傑作SF『ファイブスター物語』と『戦国自衛隊』が残した逸話

1976年から日本映画界に数多くの傑作を送り込み続けてきた角川映画の45周年を記念した「角川映画祭」が、2021年11月19日より開催されます。日本を代表するクリエイターが結集して作り上げた傑作のなかから、今回は注目すべきふたつのSF作品を紹介します。

5つの星を巡る壮大な物語

 2021年11月19日(金)から、角川映画31作品を一挙上映する「角川映画祭」が東京、埼玉で、12月からは大阪でも開催されます。『時をかける少女』『W の悲劇』など80年代の話題をさらった作品や、角川映画第1作となる『犬神家の一族』のデジタル修復4K版、そして『幻魔大戦』などをはじめとするアニメ映画も上映されます。

 今回は、映画祭で上映される作品のなかから、当時多くの観客を魅了し、現在も記憶に残り続けるSF作品を2本紹介します。

●『ファイブスター物語(ストーリーズ)』

結城信輝氏のハイレベルな作画も見どころの『ファイブスター物語』 (C)1985・1986 MAMORU NAGANO (C)1988 KADOKAWA-PICTURES
結城信輝氏のハイレベルな作画も見どころの『ファイブスター物語』 (C)1985・1986 MAMORU NAGANO (C)1988 KADOKAWA-PICTURES

 永野護先生のSF大河マンガ『ファイブスター物語』第1話にあたる部分を1989年に劇場アニメ化した作品で、監督は『機動戦士ガンダム』や『うる星やつら』の作画監督も務めたやまざきかずお氏です。

 主人公のレディオス・ソープは運命の女神の名を付けられたファティマ・ラキシスのマスターを決めるお披露目会に参加するため、惑星アドラーに降り立ちます。しかしお披露目会を仕切るユーバー大公はラキシスをわが物としようと画策しており、ソープはラキシスを救出すべく乱入します。岩だらけの砂漠めがけて逃げ出したソープとラキシスでしたが、ユーバー大公の軍勢に追い詰められ、抱き合いながら立ちすくみます。

 絶体絶命の窮地に陥ったかに思えたふたりでしたが、これはソープにとって計算ずくの状況でした。ソープの呼びかけに応じ、大地を割って現れた黄金色の巨大な騎士「ナイト・オブ・ゴールド」に乗り込んだふたりは騎士とファティマとしての姿を示し、ユーバー大公旗下の軍勢をせん滅するのです。

 本作のキャラクターデザインと作画監督を担当したのは、後に『天空のエスカフローネ』や『宇宙戦艦ヤマト2199』など多くの作品で辣腕を振るった結城信輝氏。力強さと繊細さを併せ持つ結城氏の作画は当時のアニメの水準をはるかに上回っており、1980年代の最後を飾る傑作アニメとして強い存在感を放ちました。

 また、主題歌「瞳の中のファーラウェイ」を歌唱したのは、当時アイドル歌手として活動し、後に演歌歌手として不動の地位を築いた長山洋子さん。さらに、ヒロイン・ラキシスの声を担当したのは、後に永野氏の妻となる声優の川村万梨阿さんであることも、本作を語る際には忘れてはなりません。

 余談ではありますが上映前は併映の『宇宙皇子(うつのみこ)』がクローズアップされており、『ファイブスター物語』の注目度は低い状態でした。しかし、『宇宙皇子』目当てで劇場を訪れたところ、『ファイブスター物語』の素晴らしさに触れて絶賛し、そのままファンになる方が多かったと言われています。

【画像】懐かしさと興奮がスクリーンで蘇る!『ファイブスター物語』『戦国自衛隊』のシーン(8枚)

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