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アニメ化40周年の『あさりちゃん』は逸話だらけ 視聴率争いを制し、ギネス記録も…

単行本100巻達成でギネス記録にも認定された人気マンガ『あさりちゃん』。その長期連載から幅広い世代の人気を集めています。そしてTVアニメでは高い人気から「下克上」ともいえる快挙を成し遂げていました。

裏番組『ゲームセンターあらし』と視聴率を争う

「あさりちゃん DVD-BOX デジタルリマスター版 Part1」(TCエンタテインメント)
「あさりちゃん DVD-BOX デジタルリマスター版 Part1」(TCエンタテインメント)

 本日1月25日は、40年前の1982年に『あさりちゃん』がTVアニメとして放送を開始した日です。長期間にわたって連載されていた人気マンガ『あさりちゃん』について、TVアニメだけでなくマンガについても振り返ってみましょう。

『あさりちゃん』の連載開始は1978年。最初は小学館の学習雑誌『小学二年生』での連載でした。この連載が好評だったことから、他の年代の学習雑誌や「月刊コロコロコミック」などにも掲載されるようになります。

 少女向けギャグアニメともいえるジャンルの作品でしたが、男の子から見ても面白さを感じさせる内容で、全世代的な層に人気のあった作品でした。そのため、アニメ化は流れとして必然だったかもしれません。しかし、このTVアニメ化は雑誌主導のものではなかったのです。

 本作は当時、放送中だった『タイガーマスク二世』の不振から急きょ、後番組を用意したかった「テレビ朝日」が主導して進めたものでした。これには当時デビューした実在のプロレスラー「初代タイガーマスク(佐山聡)」が大人気で、TVアニメはひとつの役割を終えたことも理由です。

 そういった事情もあり白羽の矢が立った『あさりちゃん』でしたが、テレビ朝日内部には強い反対意見もありました。この時、編成局長に「視聴率15%を保証します!」と啖呵(たんか)を切ったのが高橋浩さんです。その宣言通り、TVアニメ激戦区だった月曜19時台で『あさりちゃん』は高視聴率を維持し、13か月も放送が続きました。

 この高橋さんは以前にも『ドラえもん』などの藤子不二雄作品をはじめ、その後も『The・かぼちゃワイン』や『クレヨンしんちゃん』などのTVアニメ化にも尽力しています。この他にも『暴れん坊将軍』などの番組も多く企画した、テレビ朝日のヒットメイカーでした。

 しかし、TVアニメ化は良いことばかりではありません。放送から2か月ほど経った4月から、関東地区などの同時間帯の日本テレビで同じ「コロコロ」で連載されていた人気マンガ『ゲームセンターあらし』の放送が決まったからです。

 現在では考えられない展開ですが、当時はまだ原作側よりテレビ局側の力が強く、こういった事態は珍しくありませんでした。実際、半年ほど前までのこの時間帯は日本テレビで『あしたのジョー2』、フジテレビで『釣りキチ三平』、テレビ朝日で『タイガーマスク二世』という講談社三つ巴、うち2本は『週刊少年マガジン』連載作品、梶原一騎先生原作も2本ということもあったのです。

 この事態を静観した講談社の対応とは異なり、小学館はすぐに「コロコロ」での『あさりちゃん』の掲載を中止し、各学習雑誌だけという対応を行いました。当時の『ゲームセンターあらし』は「コロコロ」の看板作品でしたから、この処置は当然だったかもしれません。

 しかし、単純な視聴率争いでは『ゲームセンターあらし』は『あさりちゃん』には及ばなかったようで、1年の放送予定が半年になります。当時の人気という、見えないものはわかりませんが、放送期間という形になった事実で考えてみれば、『あさりちゃん』は間違いなく当時の視聴率争いに勝利した人気アニメのひとつだったといえるでしょう。

【画像】『あさりちゃん』作者が残した幻のマンガ、未来を予見したエピソードも(6枚)

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