アニメ映画の「特典商法」どう思う? 「嬉しいけど」「何度も行くのは辛い」
近年増えてきた映画の「特典商法」について、あなたはどう思いますか? 最近では『ONE PIECE FILM RED』や『すずめの戸締まり』といった大ヒット作品が、入場者特典を配布し話題になりました。ネット上では「転売ヤーが得するだけ」「レアアイテムがもらえるのは嬉しい」など、賛否の声が挙がっています。
クオリティが高ければOK?
近年増えている大ヒット映画の「特典商法」、あなたはどう思いますか? 以前から、映画の前売り特典や入場特典はありました。しかし最近の傾向では、コミックス「0巻」などレア度の高いアイテムが、限定数で用意されることが多くなっています。
2022年の記憶に新しい大ヒット作を見ても、『ONE PIECE FILM RED』や『すずめの戸締まり』といった映画が、パターンを替えながら入場特典を連発していました。今回は、映画の「特典商法」と、それに関してどう思うのか、ネット上で挙がっている声を紹介していきます。
まずは、近年ヒットした作品の特典を見ていきましょう。『ONE PIECE FILM RED』では入場者プレゼントとして、特別コミックス「巻四十億『RED』」や、カードゲームのチュートリアルデッキなどが数量限定で配られました。第1弾コミックス配布の際は、すぐに終了してしまうほどの人気ぶり。
ネット上では「やっぱ早く行かないとだめ」「完全に自分のせいだけど切ない」と、悔やむ声が続々と挙げられました。ファンの思いもあり、第4弾ではコミックスが再度、「新カバー版」で増刷されています。2023年1月現在も、29日の最終上映に向けて、「カードゲームフィナーレセット」や「クライマックスクリアファイル」が特典として登場しており、最後まで話題となりそうです。
また、『すずめの戸締まり』では新海誠監督書き下ろしのスピンオフ小説『小説 すずめの戸締まり~環さんのものがたり~』『~芹澤のものがたり~』や、小冊子「新海誠本」「新海誠本2」が、入場者にプレゼントされました。数量は限定で、登場キャラの背景や作品をより深く知ることができる内容が売りです。
いろんな特典グッズが出ていますが、ネット上ではそんな「特典商法」に対する、疑問の声も少なくありません。「特典でファンを釣って歴代記録樹立とかいわれても……」「特典は転売ヤーが得するだけ」という厳しい意見もあれば、「ないよりあった方がお得だけど、何個ももらおうとは思わない」「どんなに面白い映画でも、特典のために何度も行くのはなぁ」と、特典はあってもなくてもいい中立派の人も、チラホラ見受けられました。
一方で批判ばかりではなく、肯定的にとらえる考え方もあります。「集客につなげてヒットさせないと制作会社が潰れる」「リピーターを作るには大事」「ファンにとって、レアアイテムをもらえるのはやっぱりうれしい」などの声が。「アイドルなどは昔からやっている」「それはチケットを買う人が決めること。強制されているわけでないので別にいいでしょ」「特典だけもらって、映画始まる前、途中で帰るようなことがなければ問題ない」「露骨なのは嫌だけど、ちゃんとクオリティが高ければいいよ」という意見も出ています。
また、『ONE PIECE FILM RED』や『すずめの戸締まり』の他、近年ヒットした『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の特製冊子「煉獄零巻」や、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のキャストサイン入りミニポスター100万枚分など、劇場まで足を運ぶ甲斐のある豪華な特典もあった一方、かつてはたしかに欲しいものがもらえるものの、収集欲の強いファンには過酷すぎる特典もありました。
2011年の映画『けいおん!』の特典には「リピートポイントシート」というものがあり、このシートにチケットの半券を3枚貼ると、映画1本分のフィルムを1コマずつに切り取った「メモリアルフィルム」1個と交換できるという特典でした。半券を貼るマスは24個あり、1枚のシートで最大8個のフィルムと交換できます。
しかし、どのフィルムをもらえるかは分からない上に、1コマのために映画3回、8コマのためには24回見る必要があるという、過酷な劇場巡りを強いられるため、当時「うれしいけどキツい」「せっかくもらえたのに、誰も写ってないコマだった」「前売りたくさん買ってたけど、時期逃して、もうフィルムもらえなかった」と、いろんなファンの声が見られました。なかには17万円を使って、140枚以上のフィルムを集めた人もいたようです。
「昔の何回も行かなければもらえない特典に比べたら、今は初回で何かしらもらえるのが大半だからいい時代になった」「多くを望み過ぎなければ、大体の特典のクオリティは高いし、ありがたい」と、どちらかといえば最近のアニメ映画の特典には好意的意見が多くみられました。
その他、「『PUI PUI モルカー』の映画の特典の『モルカーボール』は、上映中に鳴らしながら楽しめるから、すぐに使えてお得な気分だった」「『銀魂 THE FINAL』で、空知先生が描き下ろした『鬼滅の刃』のキャラカードの特典は、まさに『銀魂』にしか許されない方法で爆笑しつつ、クオリティ高くてうれしかった(笑)」と、工夫を凝らした特典が話題になっています。2023年は、どんな映画のどんな特典が話題になるのでしょうか。
(マグミクス編集部)