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「昭和っぽい」「懐かしいノリ」アラフィフにぶっ刺さる2024春アニメ

2024年4月から始まった春のTVアニメもクライマックスに差し掛かり、どの作品も盛り上がっています。ここでは令和の新作アニメにもかかわらず、昭和や平成初期のテイストを感じさせる、懐かしくも新しいアニメを3本あげていきます。

懐かしくも新鮮な2024春アニメ

東急世田谷線沿線が舞台で、キャラクターの名字も駅名から付けられている『アストロノオト』 (C)アストロノオト/アストロノオト製作委員会
東急世田谷線沿線が舞台で、キャラクターの名字も駅名から付けられている『アストロノオト』 (C)アストロノオト/アストロノオト製作委員会

 4月スタートの春クールアニメは1年を通してもっとも本数が多いことから「激戦区」と呼ばれることもあります。今期も異世界ファンタジーをはじめとして、バトル、ラブコメ、部活もの、アイドル、お仕事ものなど、大量のTVアニメがクライマックス目前です。今期は特に40代以上の人たちがノスタルジーを感じるアニメが多く放送されています。どの点に懐かしさを感じるのでしょうか?

 なお、このコラムでは『アストロノオト』『終末トレインどこへいく?』『オーイ!とんぼ』のネタバレを含みます。閲覧にはご注意下さい。

●『アストロノオト』

 元大手ホテルの料理人だった主人公の「宮坂拓己(CV:斉藤壮馬)」は勤め先の倒産後、ボロアパート「あすトろ荘」の大家さん「豪徳寺ミラ(CV:内田真礼)」に惚れ、住み込み料理人になります。ところがミラの正体は、惑星「ミボー星」から地球にやってきた宇宙人だったのです。

 青年とアパートの美人管理人のラブロマンスとして真っ先に思い浮かぶのは、高橋留美子先生の『めぞん一刻』です。このふたりに限らず「あすトろ荘」の住人たちは、四谷さんっぽい無職のおじさん、朱美さんっぽい色気のあるお姉さん、男子小学生や犬など、明らかに『めぞん一刻』を意識したキャラクター構成になっています。

 そんな個性豊かな住人たちがリビングで騒がしく食事する様子は、「五代裕作」の部屋で、しょっちゅう宴会していた『めぞん一刻』風味が感じられます。また「音無響子」は未亡人でしたが、ミラはミボー星の生まれという意味で「ミボー人」を自称したことで、拓己が「未亡人」と聞き間違えをする誤解も生まれていました。

 何よりも、2話の冒頭に映し出されたポスターには「めろん一玉(いったま)」と書かれており、オマージュを隠そうとしていません。そこかしこに、アニメスタッフたちによる『めぞん一刻』への愛が感じられるのです。

 そのような『めぞん一刻』を思い出させる要素がありつつも、朱美さんポジションの「松原照子(CV:降幡愛)」が地下アイドルだったり、昆虫食が出てきたり、今の時代ならではのエッセンスも盛り込まれているため、古臭さは感じられません。

 ストーリーもオリジナル要素が強く、ミラと幼なじみのイケメンや拓己に片思いする女の子の登場でラブコメが四角関係に発展したり、ミラと敵対する宇宙人の妨害があったりと、賑やかなSFコメディが丁寧に描かれています。

【画像】えっ、どれほど似てる? 『アストロノオト』ミラと『めぞん一刻』音無響子と見比べる

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