前半離脱組「嘘だろ…」と衝撃 中盤から雰囲気一変した2025冬アニメ
冬アニメも終盤に突入して、物語が大きく動く作品が続出しています。特に前半の明るい雰囲気から一転して、シリアスで衝撃的な展開に突入した『全修。』『マジック・メイカー』について、視聴者の心を揺さぶるストーリーに着目しました。
名作オマージュ満載の話題作『全修。』が、『デビルマン』を連想させる鬱展開に突入!?

2025年の冬アニメもクライマックスにさしかかり、いよいよ佳境を迎える作品が増えてきました。そのなかで、前半の明るいムードから一変して、急激に重苦しい展開になった作品がありました。最初の楽しい空気感が好きだった視聴者は、面食らってしまったかもしれません。
まずはオリジナルアニメ『全修。』です。この作品では、若き女性アニメ監督「広瀬ナツ子」が昔好きだった作品「滅びゆく物語」の世界に転生します。『風の谷のナウシカ』や『タイガーマスク』、「板野サーカス」など過去の名作アニメへのオマージュがちりばめられ、毎週SNSのトレンドをにぎわせるほど話題を呼んでいました。
ナツ子はアニメーターらしく、自身の描いたキャラクターやモノを具現化して、敵モンスターである「ヴォイド」を撃退するところが爽快でした。
劇中作『滅びゆく物語』のストーリーを修正して、死ぬはずだった味方を救い、伝説の勇者であるイケメン「ルーク・ブレイブハート」と恋仲になりそう……そんな幸せなテイストから180度転換して、第9話のBパートから、急激に鬱展開に入っていきます。温厚で優しい味方だった「QJ」が玉砕して、街には大量のヴォイドが侵入して市民たちが襲われるのです。
特に衝撃的なのは、疑心暗鬼にとらわれた住人たちが「ナツ子を殺せ!」とののしって、武器を手に彼女に襲いかかってくる場面です。ちょうどその瞬間、ナツ子はヴォイドに飲み込まれてしまい、そのヴォイドを倒した市民たちは「ナツ子を倒したぞー!」と雄たけびを上げて歓喜するのです。
いままで守ってきた人びとが暴徒と化して、ヒロインに牙をむく流れは名作マンガ『デビルマン』を思い出させます。武器を振り上げて浮かれ騒ぎをする群衆たちの姿は、まるで『デビルマン』のヒロイン「牧村美樹」の体をバラバラにして、生首を槍に突き刺して掲げたときの狂気のようです。なお、その群衆たちもヴォイドに虐殺されて、街には死体が山積みになる悲惨な状況をむかえます。
第11話では、初恋のナツ子を失って闇落ちしたルークが、自ら世界を終わらせるために暴挙に出るというシビアな展開に陥ります。ここからどのような結末を迎えるのか、最終回まで目が離せません。
もうひとつ、中盤から雰囲気が大きく変化したアニメがあります。『マジック・メイカー ~異世界魔法の作り方~』は、魔法のない異世界に転生した少年「シオン」が、魔法を生み出そうと奮闘するファンタジー作品です。
天真らんまんでシオンを溺愛するヒロイン「マリー」の存在が作品に明るさを与えていました。ところが第7話では、そのマリーが「怠惰病」という未知の病気にかかってしまいます。元気だったマリーの瞳はハイライトを失い、寝たきりになり、意識はあるものの反応を示さなくなってからは、作品のノリが一変します。
マリー役である加隈亜衣さんの快活な演技が印象的だっただけに、ムードメーカー不在の深刻な状況が続いてからは、別作品を見ているかのような印象すら感じます。
起承転結における「転」は、そのあとの気持ちいい結末のために、一時的にストーリーを沈ませる必要があります。深く沈んだぶん、跳ね上がる瞬間のカタルシスは視聴者に強い感動を与えるでしょう。鬱展開も、作品を盛り上げるための大事なスパイスですので、両作品の最終局面に注目です。
(かーずSP)



