赤いエースはシャアのみならず 真紅の稲妻「ジョニー・ライデン」の謎多き戦歴を追う
「赤いモビルスーツ」といえばシャアの乗機、ではありますが、「真紅の稲妻」こと「ジョニー・ライデン」もまた赤をパーソナルカラーとするエースでした。一年戦争における、ジョニーの足跡を追ってみましょう。
ジオン公国軍の謎多きエースパイロット

「ガンダム」シリーズで描かれる「一年戦争」には、「ジオン公国軍」のエースパイロットとして多くのキャラクターが登場します。その筆頭といえる、赤いパーソナルカラーで塗られた「モビルスーツ(MS)」を駆る「赤い彗星」こと「シャア・アズナブル」は、2025年の春アニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』でも重要な役どころを務めました。
ジオン公国軍にはもうひとり、シャアと同じく赤いパーソナルカラーに塗られたMSを駆るエースパイロットが存在します。「真紅の稲妻」の異名を持つ「ジョニー・ライデン」です。アニメ本編に登場しないため、あまり素性も知られていないと思われる彼の戦歴は、どのようなものだったのでしょうか。
ジョニーは、雑誌や書籍を中心に展開されたプラモデル企画「MSV」にて初めて登場した人物で、ジオンでは珍しいとされるアメリカ系です。逆三角形にユニコーンの絵柄をパーソナルマークとして、初期は金髪でやや強面な風貌として描かれました。最近では、同じ金髪でもマンガ『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』(作:Ark Performance/メカニックデザイン:大河原邦男/原作:富野由悠季/原案:矢立肇/KADOKAWA)でのキャラクターデザインのほうが知られるかもしれません。
最初に彼が大戦果を挙げたのは、一年戦争開戦直後のU.C.0079年1月にサイド5(ルウム)宙域で行われた「ルウム戦役」でした。シャアを筆頭に後のエースパイロットたちが単独で戦艦を撃破する戦果をあげていくなか、「ザクII C型」でジョニーも戦艦3隻を撃破します。ルウムでの活躍により大尉へと昇進したことから、パーソナルカラーの「ザクII F型」、もしくは指揮官機の「S型」に乗り換えたといわれています。
そのパーソナルカラーは、「真紅に黒のアクセントが入ったもの」が広く知られますが、当初は「胴体と両肩のシールドアーマーおよびスパイクアーマーのみを赤く塗ったもの」だったとする資料もあります。
その後しばらく、ジョニーは小規模なゲリラ作戦で活躍したとの説もあり、この期間の戦歴はあまり詳しく語られていません。
ジョニーが再び表舞台に戻ってくるのは8月初旬のことで、ムサイ級軽巡洋艦「プリムス」を旗艦とする「第8パトロール艦隊」のMS戦闘隊長として着任します。4機しか生産されなかったというR-2型の「高機動型ザクII」を受領したジョニーは、新たに登場した連邦軍製のMSとも早い段階で交戦し、一部資料には戦艦2隻と巡洋艦4隻にくわえMS5機を撃破する戦果を挙げたとされています。
さらに終戦間際にはジオン公国軍のエース部隊「キマイラ隊」に転属しYMS-14B/MS-14B「高機動型ゲルググ」を受領、最終決戦となった宇宙要塞「ア・バオア・クー」での戦いを経験します。ア・バオア・クーでのジョニーの戦いもまた謎が多く、一説には、理由は不明ながら同士討ちを演じたともされています。最後はア・バオア・クーで戦いの末、ジョニーの消息は不明となり、MIA(戦闘中行方不明)として軍籍を外されました。
一年戦争時の最終的な階級は少佐(軍除籍時に終身中佐へ昇進)、戦果は、資料により多少のばらつきがあるものの、資料集「機動戦士ガンダム戦略戦術大図鑑~一年戦争全記録」(バンダイ)によれば「MS:185機 艦船:6隻」とのことです。
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上述したマンガ『ジョニー・ライデンの帰還』は、ジョニーの関係者と目される連邦兵「レッド・ウェイライン」が主人公です。『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』で描かれた「第2次ネオ・ジオン戦争」の直前となる宇宙世紀0090年を舞台に、消息不明となったジョニーの謎を追う物語が展開されます。
ジョニーはジオン公国軍のエースパイロットだったわりに、戦歴を追っていくと謎の面も多く、考察の余地が多いところも魅力だといえます。今後の作品で、余白として残されている彼の活躍が描かれるときはくるのでしょうか。
(LUIS FIELD)

