シリーズ異色の人気者「騎士ガンダム」とは ファンタジー路線が大ヒットした背景には…?
多くの人が「ガンダム」シリーズと聞くと、SF世界を舞台にモビルスーツが活躍する作品を思い浮かべることでしょう。しかし、ファンタジーの世界を舞台にした「SDガンダム外伝」も、一躍人気だった時代がありました。
「ファンタジーRPG」大ブームのなか登場

「ガンダム」シリーズといえば、多くの人がSFの世界観を舞台に「モビルスーツ」(MS)などのメカが活躍する作品を思い浮かべることでしょう。一方、そうした主流作品以外に、シリーズの人気を支えた「SDガンダム外伝」も忘れてはいけません。とりわけ剣と魔法の世界を中心に擬人化されたMSと人間たちが活躍する「騎士(ナイト)ガンダム」シリーズは、高い人気を集めていました。
騎士ガンダムシリーズが始まった1989年当時は「ドラゴンクエスト」シリーズ(エニックス/現:スクウェア・エニックス)などの家庭用ゲームをはじめ、ファンタジー作品がひときわ高い人気を集めていた時代です。騎士ガンダムシリーズでも、横井孝二氏がガンダム作品のMSや登場人物を騎士や僧侶といった姿にアレンジしたキャラクターが活躍します。
20円で1枚、または100円で5枚セットとして、スーパーなどの店頭に併設された「カードダス」(バンダイのトレーディングカード自動販売機)で販売されました。また、カード以外では「コミックボンボン」で連載されたマンガ版『SDガンダム外伝 騎士ガンダム物語』(作:ほしの竜一)も大人気となりました。
対立する「ジオン公国軍」と「地球連邦軍」などの勢力に「それぞれ正義」が描かれたガンダム作品と違い、同作のストーリーは王道のファンタジーです。正義と悪がハッキリと分かれた「勧善懲悪」もので、たとえば、SDガンダム外伝第1弾となる「ラクロアの勇者」では、ファンタジー世界「スダ・ドアカワールド」の国のひとつ「ラクロア王国」を舞台とに、主役の騎士ガンダムが、仲間の「僧侶ガンタンク」や「戦士ガンキャノン」とともに悪の魔王「サタンガンダム」率いるジオン族の侵略に立ち向かう……というストーリーです。
サタンガンダムとの対決に決着をつけた後は、サイコガンダムをモチーフとした「サイコゴーレム」と戦う「伝説の巨人」編へと続き、隣国「アルガス王国」を舞台に「騎士アムロ」や歴代の主人公機モチーフのキャラの活躍を描いた「アルガス騎士団」編が展開されます。
広がった物語は、最後の「光の騎士」編で黒幕の「ジークジオン」と決着をつけることで一旦は完結しました。その後、シリーズが進むにつれて神話の時代から因縁が広がっていき、物語がますます壮大になっていきます。
意外なガンダム機体もモチーフに?
そうした物語が展開するなかで、ガンダムシリース本編には登場しないマニアックなMSや登場人物が、騎士ガンダムシリーズで取り上げられることもありました。
たとえば、騎士ガンダムのモチーフは、アムロが一年戦争で乗る「ガンダム」かと思いきや、さらに時代が進んで反地球連邦組織「エゥーゴ」によって建造された「ガンダムMk-III」だといわれています。ガンダムMk-IIIは『機動戦士Zガンダム』をもとにした雑誌企画「Z-MSV」にて登場したMSで、『Zガンダム』本編での出番はありません。
「SDガンダム外伝」シリーズは販路こそプレミアムバンダイに変わりましたが、今でも続いています。『機動戦士ガンダム 水星の魔女』をモチーフとした『SDガンダム外伝NEO 禁じられた魔法』が展開されています。
(LUIS FIELD)


