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もはや「至高のゲーム機」ではなくとも「社会現象」になった日【ファミコン40周年】

『スーパーマリオブラザーズ』でファミコンブームは沸騰した

ファミコンブームを最高潮に盛り上げた『スーパーマリオブラザーズ』 (C)Nintendo
ファミコンブームを最高潮に盛り上げた『スーパーマリオブラザーズ』 (C)Nintendo

 しかしファミコンを手に入れた友達が増えていくなか、「SG-1000II」では話題についていけず、翌1985年に再び親をおがみ倒して買ってもらうことになりました。新聞のチラシを見て入荷を知り行ってみたところ、すでに開店を待つ母親と子供たちで行列ができており、ファミコンの人気を改めて思い知らされたものです。初めてファミコンを手にしたときの喜びは、今でも忘れられません。最初に買ってもらった『ナッツ&ミルク』、2番目に買ってもらった『ギャラクシアン』、3番目の『ゼビウス』は、当時の自分にできる限り遊びつくした思い出のタイトルです。

 この頃には「コロコロコミック」でもファミコンの特集が増えており、それがファミコンブームに拍車をかけていました。特に16連射で有名な高橋名人の人気はすさまじく、当時の少年たちにとってのヒーローとなっていました。マンガでもあさいもとゆき先生の『ファミコンロッキー』が非常に強い存在感を放っており、ゲームの情報が少なかった当時、『スパルタンX』を24周すると囚われのシルビアがラスボスとして登場するという、マンガに描かれた内容を鵜呑みにしてしまう子供も現れました。ええ、筆者がそのひとりです。

 1984年から85年にかけてはファミコンの初期を支えたタイトルが数多く発売されています。光線銃を使った『ワイルドガンマン』や『ダックハント』、『ロードランナー』、『デビルワールド』、『パックマン』、『マッピー』、『クルクルランド』、『エキサイトバイク』、『バルーンファイト』、『忍者くん 魔城の冒険』、『ディグダグ』、『イー・アル・カンフー』、『ハイパーオリンピック』、『ドルアーガの塔』など……挙げていけばキリがありません。

 なかでも特別なタイトルとなると、まず『スターフォース』となるでしょう。1985年の夏休みに開催されたハドソンのシューティングキャラバンは、国内初の大規模ファミコン大会として歴史に名を残しました。『スターフォース』の盛り上がりに合わせたかのように、8月10日には世界初の連射機能を持つコントローラ「ジョイボール」がHAL研究所から発売され、子供たちの憧れの的となっていたことを思い出します。

 そして1985年9月13日には『スーパーマリオブラザーズ』が発売されたのです。国内681万本、世界で4024万本を売り上げた、当時究極の面白さを備えたアクションゲームの登場により、ファミコンの人気は本格的に沸騰することとなりました。その後、1986年にファミコンの歴史をいま一度大きく揺り動かすソフトが発売されることになります。

(早川清一朗)

【画像】好きだったソフトは? ファミコン初期のカセット(6枚)

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