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もはや「至高のゲーム機」ではなくとも「社会現象」になった日【ファミコン40周年】

2023年はファミリーコンピュータが40周年を迎えます。ファミコン初期の時代からブームの沸騰、やがて衰退し、次世代ゲーム機に役目を譲るまで経験した筆者が、当時の思い出を語ります。今回は第3回目、『ドラゴンクエストII・III』が巻き起こした社会現象から『ドラクエIV』発売前までを振り返ります。

ドラゴンクエスト狂想曲

社会現象を巻き起こした『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』(画像は同作のAndroidアプリ版) (C)1988, 2014 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
社会現象を巻き起こした『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』(画像は同作のAndroidアプリ版) (C)1988, 2014 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

 1983年7月15日に発売され、2023年で発売から40周年を迎えるファミコンは、日本国内で1935万台、世界で6191万台を売り上げ、家庭用ゲーム機文化の浸透に大きな貢献を果たしました。そんなファミコンの歴史について、筆者の個人的な記憶に基づいて振り返ってみようと思います。今回は、「ドラゴンクエスト」シリーズがもたらした社会現象についてから語ります。

 1987年1月の『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』の人気もすさまじいものがありましたが、1988年2月の『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』が巻き起こしたブームはそれを上回るものでした。都心の家電量販店には大行列ができ、玩具店にも『ドラクエIII』を求める子供や母親がひっきりなしに訪れていました。当時は街の至るところにあったファミコンショップにも、入荷のうわさを聞き付けた子供たちがしばしば列をなしていました。

 このとき問題となったのが、抱き合わせ販売です。人気のあるカセットと売れ残ったカセットをひとまとめにして買わせる商法は、当時の子供にとって大きな問題でした。この時期になるとファミコンのカセットはクオリティが低い物も出回っており、また購買力に対してあまりにもたくさんの種類が出ていたため、売れ残りのカセットが多数出ていたのです。この問題は『ドラクエIV』の時代まで尾を引きましたが、その後は法規制により姿を消しました。

なお、筆者は『ドラクエIII』を購入したときの抱き合わせカセットが初代『ファイナルファンタジー』というお得な組み合わせでした。いやラッキーな話です。

 もちろん『ドラクエII』と『III』の間にも、さまざまなタイトルが目白押しです。1987年2月には『飛龍の拳 奥義の書』、4月には『さんまの名探偵』に『ファミリージョッキー』、6月上旬には同名のTVアニメも放送された『高橋名人のBUGってハニー』や、主題歌のカセットテープが同梱された『アテナ』などメディアミックスのはしりとも言えるタイトルが登場しています。

【画像】カセットでかっ!驚いた『信長の野望』(5枚)

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