マグミクス | manga * anime * game

『ドラクエ12』は5年間「沈黙」…でも熱い視線が集まるワケ 「黄金の3人」にファンの熱視線

2021年の初報以降、大きな続報がない『ドラクエ12』は、いまも新情報を待つ声が絶えません。シリーズの歴史や、これまで判明している情報から、その期待の理由を考察します。

「空白期間」を覆した『ドラクエ11』という前例

「大人向け」で「ダークな感じ」とのコメントもあった『ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎』のタイトルロゴ  (C) ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX
「大人向け」で「ダークな感じ」とのコメントもあった『ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎』のタイトルロゴ  (C) ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX

「ドラゴンクエスト」シリーズのナンバリング作品で最新となる『ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎』(以下、『ドラクエ12』)は、かつて2021年5月に行われた「ドラゴンクエスト」35周年記念特番で正式発表され、大きな話題を呼びました。

 しかし、大規模な続報はほとんどないまま、約5年もの時間が経過しています。ゲーム業界では日々、新作タイトルなどの情報が流れていくため、長期間動きがない作品はそのまま埋もれてしまうことも珍しくありません。

 それにもかかわらず、『ドラクエ12』はいまなお高い関心を集めています。本日2026年5月27日(水)夜に予定されている配信番組「ドラゴンクエストからのお知らせ」にも、SNSでは期待の声が広がっており、多くのユーザーが続報を待ち望む状況です。なぜ『ドラクエ12』は、5年もの沈黙があってもファンの熱量が消えないのでしょうか。

 2010年代の『ドラゴンクエスト』シリーズは、『ドラゴンクエストX オンライン』によって新たな方向性を打ち出します。ただし、オンライン専用作品として高い人気を博した一方で、「オフラインのナンバリング作品」を待ち望む人も少なからずおり、シリーズファンの反応も一様ではありませんでした。

 そのため、『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』(2009年7月発売)から数えると、完全新作のオフライン向けナンバリング作品となる『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』(以下、ドラクエ11)までは、約8年もの間隔が空く形になりました。当時、この長い空白期間を不安視し、「今度の新作は売れるのか」と懸念する声もありました。

 しかし、蓋を開けてみると、『ドラクエ11』は発売からわずか2日間で208万本を販売。その後も売上を伸ばし、2018年11月には400万本、2020年9月になると600万本(『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S』を含む)を突破しました。

 長いブランクがあっても、『ドラクエ』には多くの潜在的なユーザーが存在することを、『ドラクエ11』が改めて証明したのです。こうした背景から、『ドラクエ12』に注目する人も数多くいるものと考えられます。たとえ続報が少なくとも、「次の『ドラクエ』なら遊びたい」と考えるファンがそれだけ多いのでしょう。

黄金トリオ”最後の『ドラクエ』になる可能性

『ドラゴンクエスト』シリーズを語る上で欠かせないのが、堀井雄二氏、すぎやまこういち氏、鳥山明氏の3人です。

『ドラクエ』の生みの親であり、ゲームデザインやシナリオを手がける堀井氏。制限の多かったファミコン時代から壮大な音楽を作り上げ、冒険を彩ったすぎやま氏。そして、『ドラクエ』の顔とも言えるキャラクターやモンスターを手がけ、世界観の構築に一役買った鳥山氏。この3人の存在が、『ドラクエ』を唯一無二の作品へと押し上げてきました。

 しかし、シリーズ誕生から40年近い歳月が流れるなか、2021年9月にすぎやま氏が逝去し、さらに2024年3月1日には鳥山氏も亡くなりました。

 2024年5月27日、堀井氏は「亡くなったお二人の遺作に相応しいものをと思っています」と自身のXアカウントで綴り、真摯に作品を作り続ける姿勢と、ふたりへの想いの深さを語りました。このコメントからも、すぎやま氏と鳥山氏が『ドラクエ12』に関わっていたことが分かります。

『ドラクエ12』は、堀井氏・すぎやま氏・鳥山氏という「黄金トリオ」が揃う最後のナンバリング作品になる可能性が高いでしょう。多くのファンが特別な視線を向けるのも、至極当然です。

「ダークで大人向け」──シリーズ刷新への期待

2021年5月の配信番組で公開された『ドラクエ12』ティザームービーでは、「ダークな」の言葉どおりにシリアスなビジュアルと音楽による演出がなされた
2021年5月の配信番組で公開された『ドラクエ12』ティザームービーでは、「ダークな」の言葉どおりにシリアスなビジュアルと音楽による演出がなされた

 現時点において、『ドラクエ12』の詳細はほとんど明かされていません。しかし、発表時に堀井雄二氏が語った内容は、多くのファンに強いインパクトを残しました。

 堀井氏は『ドラクエ12』について、「ダークな感じ。大人向けのドラゴンクエスト」とコメントしています。これまでのシリーズ作も、過酷な展開を迎えることはたびたびありましたが、「ダーク」で「大人向け」との明言は、これまでとは一線を画すのではと好奇心を刺激します。

 また、『ドラクエ12』では「選択を迫られる」「生き方を決めるような大きな決断もある」といった発言もありました。単なるストーリー分岐ではなく、プレイヤー自身の価値観を問うような展開が描かれる可能性もありそうです。

 子どもの頃に『ドラクエ』を遊んでいた世代は、いまや大人になっています。『ドラクエ12』は、そうしたユーザー層に向けた、新たな『ドラクエ』像を提示する作品になるのかもしれません。

コマンドバトルにも大きな変化が?

『ドラクエ12』のコマンドバトル刷新にも注目が集まる? 画像はHD-2D版『ドラゴンクエストIII』の戦闘コマンド画面
『ドラクエ12』のコマンドバトル刷新にも注目が集まる? 画像はHD-2D版『ドラゴンクエストIII』の戦闘コマンド画面

『ドラクエ12』で注目を集めている点のひとつが、バトルシステムです。堀井氏は、「コマンドバトルを一新」と発言しており、これまでのシリーズ作とは違うプレイ体験を想像させます。

 ただし、「コマンドじゃなくなるわけではない」「アクションが苦手な人も大丈夫」とも説明しており、完全なアクションRPG化を遂げるわけでもなさそうです。

『ドラクエ』シリーズは、コマンド選択型のRPGとして長年支持されてきました。その根幹をどう進化させるのか、気になる人も少なくありません。コマンドバトルの変化も、『ドラクエ12』への関心を高める大きな要因のひとつです。

 初報から5年もの時間が経っているため、切り口や方向性が変わった可能性も十分あり得ます。どの部分を変え、何を受け継いでいくのか。『ドラクエ12』の変化と進化を見届けるためにも、今後届くであろう続報に注目せざるを得ないと考える人は多いことでしょう。

(臥待)

「え、まんますぎる」「なぜそうなった(笑)」これがどう見てもスライムなサーティワン新作アイスです(4枚)

画像ギャラリー

臥待

雑食系ゲームライター。ファミコン時代のクラシックゲームから現行機まで幅広くアクセスし、TRPGやゲームブックなどアナログ系にも手を出しながら、様々な「面白さ」の探求を日々続ける雑食系ライター。「「隠れた名作」を隠れさせることなく広く知らしめたい」という密かな野望を持っており、ユニークな依頼を万年受付中。

臥待関連記事

もっと見る

編集部おすすめ記事

ゲーム最新記事

ゲームの記事をもっと見る