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「ダウンロード専売」に舵を切るPS5、一方Switchはどうなる? 全く異なる両者の「デジタル比率」

2028年以降、PlayStation向け新作タイトルはディスク版が姿を消します。この決断は自然な流れなのか、Nintendo Switch/Switch 2はどうなるのか。ダウンロード販売比率やユーザー層の違いなどを通じて、今後の見通しを探ります。

PS5「ダウンロード販売」の驚くべき数字

PlayStation5は、2028年1月以降、新作ソフト完全にデジタルへ移行する。画像はPlayStation5のディスクドライブ搭載モデル
PlayStation5は、2028年1月以降、新作ソフト完全にデジタルへ移行する。画像はPlayStation5のディスクドライブ搭載モデル

 ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、PlayStation.Blogを通じて、PlayStationコンソール向け新作ゲームの販売方針を明らかにしました。2028年1月以降に発売するすべての新作ゲームについて、ディスク版の生産を終了すると発表。これにより、2028年1月以降に発売される新作ゲームは、PlayStation Storeと販売店にて、ダウンロード版のみの提供となります。

 つまりPlayStation 5向け新作ソフトのディスク版は、2027年いっぱいでひと区切りとなる見込みです。また、2028年以降もPlayStation 4に対応した新作が発売される場合は、同様の対応になると考えられます。

 こうした方針の背景には、「デジタル化」の加速があります。書籍は紙媒体から電子書籍への移行が進み、新幹線や飛行機のチケット、ホテルの予約などもオンラインが当たり前になりました。業界を問わず、デジタルサービスへの移行は、ごく自然な流れといえます。

 これは、ゲーム業界も例外ではありません。ソニーグループ株式会社が2026年5月8日に公開した「2025年度第4四半期連結業績補足資料」によると、PS5向けフルゲームソフトウェアのデジタルダウンロード比率は、2025年度で「78%」に達しています。およそ8割がダウンロード版として購入される一方、パッケージ版は2割強に過ぎません。

 発表されたデータを踏まえると、ディスク版の生産終了という判断も理解できます。ただし、この「販売のデジタル化」の傾向がゲーム業界全体にそのまま当てはまるとは、現時点では言い切れません。

一方、任天堂の状況には「大きな違い」が?

 任天堂が同じく2026年5月8日に公開した「2026年3月期 決算説明資料」では、2025年度のデジタル売上高比率は53.5%でした。デジタル販売が半数を超えているとはいえ、パッケージ版も依然として高い割合を維持しており、ほぼ拮抗しています。

 ただし、両社の数字は集計方法が異なります。ソニーは追加コンテンツなどを含まないフルゲームソフトウェアのダウンロード比率である一方、任天堂はゲーム専用機ソフト全体の売上高に占めるデジタル売上高の割合で、追加ダウンロードコンテンツなどの売上も含んでいます。

 単純比較はできませんが、それでもPS5とスイッチシリーズ(Nintendo SwitchおよびNintendo Switch 2)の間には、ダウンロード販売の比率に大きな差があることがうかがえます。

 では、なぜここまで違いが生まれたのでしょうか。その理由のひとつとして、ゲーム機の仕様やユーザー層の違いが挙げられます。

PS5とスイッチでは、パッケージ版の「意味合い」に違いが?

 PS5とスイッチシリーズでダウンロード版の利用率に差がある理由として、ゲームソフトの仕組みそのものも関係しているのかもしれません。PS5では、パッケージ版を購入した場合でも、本体へのインストールが必須です。

 パッケージ版に入っているゲームディスクは、起動時の認証の役目もありますが、実際に遊ぶデータはストレージへ保存されます。そのため、「どうせインストールするなら、ディスクの挿入や入れ替えが不要なダウンロード版でいい」と考えるユーザーが増えるのも自然な流れでしょう。

 一方、スイッチシリーズは事情が大きく異なります。パッケージ版に封入されているゲームカードは、本体へのインストールが不要で、直接データを読み込んで遊べます。アップデートデータなどは本体ストレージへ保存する必要がありますが、ゲームカードさえ挿しておけば、本編データまで保存する必要がない点は大きな違いです。

 もっとも、この状況はスイッチ2の登場で少し変化しました。スイッチ2では「キーカード」方式が導入され、タイトルによってはパッケージ版を購入してもゲームデータのダウンロードとインストールが必要になります。従来のゲームカードとは異なる運用です。

 このキーカードの導入が、今後どこまでユーザーの購入傾向へ影響を与えるのかは、まだ判断できません。今後のタイトル展開や、ユーザーの受け止め方によって、その影響の大きさが徐々に見えてくるでしょう。

ユーザー層の違いと、「中古流通」の影響も?

 また、PS5とスイッチシリーズでダウンロード版の比率に差が生まれる理由として、ユーザー層の違いも挙げられるでしょう。PS5は中高生や大学生、社会人のユーザーが中心ですが、スイッチシリーズは小学生も多く遊んでおり、年齢層の幅広さが特徴です。

 小学生がゲームソフトを購入する場合、お小遣いだけで賄うのはなかなか難しいものです。親に買ってもらう機会となれば、誕生日やクリスマスなどのプレゼントが定番でしょう。せっかく贈るのであれば、親としても手渡しできる形を選びたいところ。そうした事情から、パッケージ版が選ばれやすい面もありそうです。

 また、ダウンロード版を購入するには、クレジットカードや電子マネーなどの決済手段が欠かせません。大人なら問題なく利用できますが、小学生が自由にネットで買い物をするのは容易ではありません。

 加えて、年齢に見合わないタイトルを購入してしまう可能性もあるため、保護者としては目が離せず、そうした視線を潜り抜けるのは困難でしょう。その結果、子どもにとってダウンロード版は、どうしてもハードルが高くなりがちです。

 パッケージ版ならではの利点である「中古ゲームの下取り」も、ダウンロード版との比率に影響している可能性があります。一部の人気タイトルは、発売から数年が経過しても中古価格の値落ちが比較的少ないのが、Switch用ソフトの強みです。遊び終えたゲームをリサイクルショップへ持ち込めば、ある程度の金額で買い取ってもらえるため、そこに少しお金を足すだけで次のゲームが買えるのは、大きなメリットといえるでしょう。

 特に、お小遣いの範囲でやりくりすることが多い学生にとって、このサイクルは魅力的です。年齢によっては保護者の同意が必要になりますが、「遊び終えたら売る」ことを前提に、あえてパッケージ版を選ぶ人も少なくなさそうです。

 一方、社会人になると事情は変わります。仕事などで忙しくなると、ゲームを売りに行くこと自体が面倒に感じる人も増えるはず。もちろん、こまめに下取りに出す人もいますが、「必要なお金は働いて稼げばいい」と考え、学生時代ほど下取りを意識しなくなるケースもあります。

 そうなると、パッケージ版にこだわる理由は薄れ、購入のために店へ足を運ぶ必要もないダウンロード版を選ぶ人が多くなる傾向が推測されます。

 デジタル化そのものの流れは、おそらく今後も止まらないでしょう。一方で、パッケージ版に魅力を感じるユーザーもいますし、ディスク版の生産終了に不安を抱くユーザーがいるのも自然なことです。

 ソニーがこのタイミングでディスク版の生産終了を打ち出した判断は、果たして適切だったのか、それとも時期尚早だったのか。その答えは、今後のユーザーの反応によって見えてくるはずです。

 一方、発売からまだ1年ほどしか経っていないスイッチ2では、少なくとも当面はゲームカードによる販売も続いていくと考えられます。そのため、2028年以降にPS5とスイッチ2でマルチプラットフォーム展開されるタイトルでは、物理メディアを求めてスイッチ2版を選ぶユーザーが現れる可能性もあるかもしれません。

 ダウンロード版とパッケージ版、それぞれの販売比率や訴求力が今後どのように変化していくのか、ゲーム市場の動向に引き続き注目が集まることでしょう。

(臥待)

「えっマジか」「そりゃパッケージ版買うわ」 これがSwitch用人気ソフトの驚くような中古価格です(4枚)

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