世界的大作ゲームの「日本版価格」がむしろ「健闘している」? 1万円超の高額ソフトが続出した時代
『GTA6』の国内価格が9,800円と発表され、「ゲーム1本で約1万円」の時代がいよいよ現実味を帯びてきました。しかし、歴史を振り返れば、1万円を超えるソフトも存在しました。ゲームソフト価格をめぐる「今と昔」の違いはどこに?
『GTA6』の価格を超えるゲームが、平成初期や昭和に登場

世界的な大ヒットゲームの最新作、『グランド・セフト・オートVI』(以下、『GTA6』)が、2026年11月19日(木)に発売される予定です。前作『GTA5』は累計販売本数が2億3,000万本とも言われており、最新作もその記録を更新するのではないかと期待が寄せられています。
大きな期待を集める『GTA6』の国内向け通常版の価格は、「9,800円」と発表されました。ゲームソフト1本でほぼ1万円という金額だけを見ると、「高い」と感じる人も少なくないでしょう。
実際、近年はゲームソフトの価格がじわじわと上昇しています。Nintendo Switch 2向けタイトルのなかには9,980円の作品も登場していますし、有名どころではPS5版『ファイナルファンタジーXVI』も、発売当初は9,900円(後に価格改定)でした。物価高や世界情勢の変化、開発費の高騰など、さまざまな要因がゲームソフトの価格にも影響を与えています。
『GTA6』に話を戻すと、同作の海外版(通常版)の価格は79.99ドルです。。日本円に換算すると、約1万3,000円です。国内版の9,800円は、決して安価とは言えませんが、海外版と比べると価格が抑えられていることが分かります。
さらに、『GTA6』は開発規模そのものがケタ違いです。長期にわたる開発期間に加え、開発費も数百億円どころではないとも報じられています。そうした制作規模を踏まえると、国内向けの通常版価格は、むしろ健闘しているとも考えられます。
過去には「1万5000円超え」も?

ゲームソフト1本の価格が1万円に迫る時代となりましたが、昔はもっと安かったのかと言うと、そうでもありません。
CD-ROMなどの光学メディアがゲームソフトの主流となって以降は、長らく価格が抑えられていました。そこから徐々に価格が上昇し、なだらかな右肩上がりで現在の価格帯に推移しています。しかし、それより前の時代、特にスーパーファミコンの頃はROMカセットの製造コストが高かったこともあり、1万円を超えるゲームソフトも複数ありました。
当時を経験した多くのユーザーが思い出すのは、『ファイナルファンタジーVI』や『ドラゴンクエストVI』、『クロノ・トリガー』などでしょう。いずれも定価は1万1,400円と、『GTA6』を軽く上回ります。当時としても決して安い金額ではありませんでしたが、多くのユーザーが購入し、いずれも大ヒットを記録しました。
さらに高額な作品もあります。『三國志III』や『提督の決断』などは、1万4,800円という価格設定でした。特殊チップを搭載していたこともあり、製造コストが高くなったものと思われます。また、『真髄対局囲碁 碁仙人』はそれらを上回る1万5,500円でした。14,800円との差はわずかですが、15,000円超えはなかなかのインパクトです。
「ゲーム本体と同額のゲームソフト」が販売されていた時代も

さらに時代をさかのぼった「ファミコン」の頃は、ゲームソフト全体の価格帯は抑えめでした。発売初期のファミコンソフトは3,800円でスタートし、その後も5,000円~6,000円前後が主流になります。「昔のゲームは安かった」という印象を持っている人も多いかもしれません。
しかし、それはあくまで全体の傾向です。個別に見ると、『維新の嵐』や『水滸伝 天命の誓い』は1万1,800円でした。プレミア化した中古ソフトが1万円を超えることは、ファミコンソフトでもよくありますが、発売時の定価が1万円超えとなると、印象は大きく変わります。
ここで飛び抜けた価格設定だったのが、『三國志II』の1万4,800円です。スーパーファミコン時代の高額ソフトにも匹敵しています。1万4,800円という金額は、当時のファミコン本体と同額でした。ゲーム機本体と同じ価格のゲームソフトというのは、現代ではまず考えられません。
『GTA6』の9,800円という価格は確かに高額ですが、ゲーム史を振り返るとさらに高額なソフトは数多くありました。だからといって「9,800円は安い」と言うわけではありませんが、海外版との価格差や昨今の情勢を踏まえると、『GTA6』の価格をどう受け止めるかは、ユーザーそれぞれの価値観によって変わると言えそうです。
なお、歴代ゲーム機のなかでソフト価格が突出しているのは「NEOGEO(ネオジオ)」で、ソフトの価格帯は3万円前後と別格です。アーケードゲームをほぼ完全再現できる当時唯一のハードは、ソフトの価格も規格外でした。
(臥待)


