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20代女性が初めて『キン肉マン』を観たら? 衝撃的なギャップで「風邪引きそう」に

ラーメンマンの凶悪な戦い方にドン引き

ラーメンマンがパッケージに描かれた『キン肉マン』DVD3巻(東映) (C)ゆでたまご・東映アニメーション
ラーメンマンがパッケージに描かれた『キン肉マン』DVD3巻(東映) (C)ゆでたまご・東映アニメーション

 実をいうとアニメを観るまで筆者は、ラーメンマンのことをコメディ要員だと思い込んでいました。名前はもちろん、キャラクターデザインもいかにも「中華」なイメージを詰め込んだ見た目なので、到底シリアスなキャラクターには見えません。

 しかし現実のラーメンマンはまるで真逆です。残虐なファイトスタイルを売りとする残虐超人のひとりであり、「東洋の悪魔」の異名を持つとんでもなく恐ろしい人物でした。しかも超人オリンピックの決勝トーナメントでは、対戦相手であるブロッケンマンの口に蹴りをぶち込み、挙げ句の果てには胴体を真っ二つに折って死亡させてしまいます。「えっ、キミってそんなに恐ろしかったの?」とあ然としたことは言うまでもありません。

 ただし残虐極まりなかったのは序盤だけで、キン肉マンに敗北してからのラーメンマンは、魅力あふれる「漢」になりました。なかでも印象的だったのが、「超人オリンピック ザ・ビッグファイト編」で見せた「ウォーズマン」との一戦です。

 もはや自分に勝ち目がないことを悟りながらも、戦いをやめようとしないラーメンマンの背景には、次に対戦するキン肉マンのために少しでもダメージを与えたい、そしてウォーズマン攻略の糸口になってほしいというアツい思いがありました。その結果、ウォーズマンから受けた攻撃が原因で、見ることも聞くことも話すこともできない、いわゆる植物状態となってしまうのです。

 それでいてなお、キン肉マンの窮地には心の声でアドバイスを送るなど、どこまでも友情にアツい漢、それが真実のラーメンマンでした。誰ですか、彼をコメディ要員なんて言ったのは。めちゃくちゃカッコいいキャラクターじゃないですか。……本当にごめんなさい。

 ところでラーメンマンの一戦も然り、『キン肉マン』には意外とショッキングな場面が目白押しでした。例えば「超人オリンピック ザ・ビッグファイト編」でいうと、「ベンキーマン」の得意技「恐怖のベンキ流し」はもはや恐怖映像でしかありません。ベンキーマンの腹部は和式便器になっており、そこに超人たちを押し込んでは水に流してしまうのです。

 また第48話から始まる「7人の悪魔超人編」では、これまでキン肉マンとともに行動してきたミート君が悪魔超人のひとり、バッファローマンのハリケーンミキサーによって身体をバラバラにされてしまいます。

 そして極めつけは、同じく悪魔超人のひとりである「ミスターカーメン」でしょう。対戦相手である「ブロッケンjr.(ジュニア)」を必殺技のミイラパッケージに捕らえたミスターカーメンは、そのまま大きなストローを突き刺し、なんと体内の水分をチューチューと吸い上げるのです。そのおぞましさといったら!

 特に「悪魔超人編」の残酷描写、ひいてはシリアス展開は、いままでコメディ色が強かっただけにかなり印象的に映りました。あれだけ散々ギャグをやってきた『キン肉マン』がここまでシリアスになるとは……と、ギャップに風邪を引きそうです。

 ただ、これまで見たエピソードのなかで、筆者の胸を最も熱くさせたのも「悪魔超人編」であり、途中で描かれたキン肉マンたちの友情には思わず涙がこぼれそうになりました。

 今回視聴したのは、「怪獣退治編」から「悪魔超人編」までのエピソードでした。ここからどのような戦いが待ち受けているのか、アニメ『キン肉マン』の視聴に費やす今年の夏は、今まで以上にアツい夏となりそうです。

(ハララ書房)

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