オリジナルアニメなのに謎放置←答えは一生闇のなかへ? ラストに物議を醸した作品
原作のないアニメオリジナル作品の場合、未解決の謎が残ってしまうと、視聴者は答えを得る手立てがありません。なかには多くの伏線を残したまま終わってしまい、物議を醸した作品がありました。
オリジナル作品なのに「打ち切りエンド」

原作のないアニメオリジナル作品で謎が未解決のまま終わってしまうと、視聴者は答えを得る手段がありません。そして、アニメでしか答えが得られないにもかかわらず、多くの伏線を残して物語が完結し、賛否を呼んだ作品もありました。
例えば、2021年放送の『サクガン』は、最終話にもかかわらず「TO BE CONTINUED」と、続きを匂わせる最後を迎えました。本作は岩盤で隔てられた集落「コロニー」に住む主人公「メメンプー」が、父親「ガガンバー」とともに未開地区の開拓を目指していく物語です。
物語の終盤にメメンプーが武装組織「シビト」から「虹の子」と呼ばれる存在だと判明しますが、その正体や役割は明かされません。そのほかにもメメンプーたちが目指していた夢のなかで見た場所に何が待っているのか、ガガンバーの記憶が周りと食い違った理由など多くの伏線が回収されないままでした。
また、2019年放送の『星合の空』のように制作側の事情で未完となってしまった作品もあります。同作は主人公「桂木眞己」が転校先の中学校で幼なじみ「新城柊真」と再会し、ペアを組んでソフトテニスの世界に挑戦する青春群像劇です。
終盤ではソフトテニス大会の様子が描かれます。3回戦で敗退するも眞己と柊真のペアは健闘しました。しかし、最終回の残り数分で急展開を迎えます。柊真は母親から電話で「嫌いだった」という決別の言葉と、父との離婚を告げられたのです。また、眞己も100円ショップで買った果物ナイフを手に、彼と不仲な自分の父親が住む家の玄関前に立つ不穏な場面で物語が終わりました。
2020年にはYouTubeで2年後の世界を描いた『星合の空 Special Fan Movie』が公開されたものの、結末を明確に示す描写はいまもなお描かれていません。
同作の赤根和樹監督は、最終話の直後にSNSで「本来は全24話の物語で、3か月後にもう1クールを放送して完結する予定でしたので12話に直結する13話が存在します」とコメントを残しています。予定が短縮され、構成の変更が難しいことから未完に終わったようです。
そして、2023年放送の『魔法少女マジカルデストロイヤーズ』も思わせぶりな最終回が物議を醸しました。同作はオタク文化が弾圧される世界を舞台に、反抗組織のリーダー「オタクヒーロー」や魔法少女たちが秩序維持組織「SSC」と戦いを繰り広げる物語です。
最終回でオタクヒーローたちはSSCのボス「SHOBON」を追い詰め、とどめを刺すことに成功します。しかし、SHOBONは高次元の存在であり、完全に倒すことはできません。最後は魔法少女たちもSHOBONの手に落ち、オタクヒーローは彼女たちによって命を絶たれます。
最終的には、2年の月日が流れて新たに立ち上がった「2代目オタクヒーロー」が魔法少女たちと対じするという結末が描かれ、視聴者の評価は賛否分かれました。
(LUIS FIELD)