「子供にとって最高の日曜日」だった、『グレンダイザー』と『鋼鉄ジーグ』 関係者が明かした意外な誕生経緯とは?
国内での人気はもちろん、海外でも記録的な大ヒット作となった『鋼鉄ジーグ』と『UFOロボ グレンダイザー』の放送開始から、半世紀の時が経ちました。同じ日に放送されたこの2作には、それぞれ誕生のドラマがあったのです。
マジンガーから脱却する予定が、そうならなかったワケ

本日10月5日は、1975年に『鋼鉄ジーグ』と『UFOロボ グレンダイザー』がTV放送を開始した日です。本年2025年で半世紀となります。多くの地方では『ジーグ』は18時から、『グレンダイザー』は19時からの放送でした。
どちらも、ロボットアニメとして一世風靡した作品で、放送中は子供たちの人気を大いに集めました。海外での評判は日本国内以上のもので、21世紀に入ってからもリメイク作品が制作されるほどの人気でした。
ともに永井豪先生とダイナミックプロ(ダイナミック企画)が原作を担当、アニメ制作は東映動画(現在の東映アニメーション)といった共通項がいくつかあります。それが「放送日」まで一緒というのですから、いわば兄弟作品、あるいは「双子」ともいえる関係かもしれません。
この2作品はどちらも、放送までに大きな物語がありました。
『グレンダイザー』は、当初は前番組『グレートマジンガー』直接の続編となる『ゴッド・マジンガー』が企画されていたそうです。しかし玩具展開の不調や、当時の子供に話題だった「空飛ぶ円盤 (UFO) ブーム」の影響から、東映まんがまつりの1本だった『宇宙円盤大戦争』をベースにした物語へと変更されることになりました。
こうした企画変更で、マジンガーシリーズとは異なる作品となる予定でしたが、TV局側の要望で『マジンガーZ』の主人公である「兜甲児」をレギュラーで起用することになります。こうして『グレンダイザー』はマジンガーシリーズとなりました。
この甲児の起用には、スタッフ側も「三枚目」として描かざる得ないと反発したそうです。これには筆者たち当時の視聴者も同様で、マジンガーに乗らない甲児の扱いを歯がゆく思ったものでした。放送当時、ファンから抗議としてカミソリが送られてきたそうです。
一方の『ジーグ』はどうだったのでしょうか。以前、筆者は誕生の経緯を当事者から詳しく聞かせていただいたことがあります。