長野辰次の記事一覧
長野辰次
フリーライター。映画、アニメ、小説、マンガなどのレビューや作家インタビューを中心に、「キネマ旬報」「映画秘宝」などに執筆。現在公開中の『八犬伝』(キノフィルムズ配給)の劇場パンフレットなどにもレビューを寄稿している。
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『AKIRA』の影に隠れた傑作! 大友克洋×江口寿史が描いた『老人Z』 美少女介護士と暴走ロボの天才的発想
2025.09.15劇場アニメ『AKIRA』の大友克洋監督が原案・脚本・メカニックデザインを、「美女を描かせたら漫画界一」と呼ばれる江口寿史氏がキャラクターデザインを手掛けたのが、1991年9月14日に公開されたオリジナルアニメ『老人Z』です。高齢化社会を予見した内容は、いま観るとより共感できる内容であり、「もうひとつの『AKIRA』」だったことが分かります。
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『鬼滅の刃 無限城編』が社会人の心に刺さるワケ 「失われた30年」世代の怒りと哀しみ、祈り
2025.09.14コロナ禍ながら日本映画の歴代興収1位に輝いた『劇場版「鬼滅の刃 」無限列車編』に続き、『劇場版「鬼滅の刃 」無限城編 第一章 猗窩座再来』も、記録的大ヒットとなっています。米騒動が起き、短期政権の交代が続くなど、大正時代と現在はよく似ていると言われています。なぜ『鬼滅の刃』が、とりわけ社会人世代の胸に刺さるのかを考察します。
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朝ドラ『ばけばけ』の世界を40年以上前に描いた『日本の面影』 DVDもない幻のNHKドラマ
2025.09.06NHKの朝ドラ『ばけばけ』の放送開始が近づいてきました。主人公たちのモデルとなった小泉八雲とセツの物語は、1980年代にも名脚本家・山田太一氏によって『日本の面影』としてTVドラマ化されています。小泉八雲の名著『怪談』のエピソードも盛り込んだユニークな内容でした。国際色豊かなドラマだった『日本の面影』を振り返ります。
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菅原文太・愛川欽也の『トラック野郎』が50周年 ヒロインとの出会いは毎回「トイレ」?
2025.08.30渥美清さんが「フーテンの寅さん」を演じた『男はつらいよ』と並ぶ、「昭和」の人気映画シリーズに、菅原文太さんと愛川欽也さんが共演した『トラック野郎』があります。大型トラックの運転手たちが主人公だけに、実にパワフルなアクションコメディでした。第1作の劇場公開から50年を迎えた『トラック野郎』の魅力を振り返ります。
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高畑勲が『もののけ姫』に放った「辛らつな言葉」とは? 何度も「考えさせられる」
2025.08.29宮崎駿監督の時代劇アニメ『もののけ姫』は公開時に194億円という大ヒットを記録。宮崎監督の前作『紅の豚』の興収記録47億円を、大幅に更新してみせました。続く『千と千尋の神隠し』も記録的大ヒットとなり、日本のアニメーションは新次元へと突入していきます。社会現象にもなった『もののけ姫』を改めて考察します。
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NHKが仕掛けた架空の特撮『タローマン』が映画化 岡本太郎の芸術が画面上を大暴れ?
2025.08.23NHK Eテレで放映された『TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇』が、劇場版となって帰ってきました。解説を務めた「サカナクション」の山口一郎さんも出演しています。タローマンや奇獣たちのアイデアの源泉となった芸術家・岡本太郎が残した伝説を振り返ります。
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宮崎駿監督の暴走アニメ『崖の上のポニョ』 若手監督たちの追随を許さぬ巨匠の「狂気」
2025.08.22引退宣言をたびたびしている宮崎駿監督ですが、10本目となる長編映画『崖の上のポニョ』は、アニメーションならではの楽しさに満ちています。地上の文明が水没化してしまうという破滅的な物語なのに、なぜか明るい生命力にあふれています。宮崎監督の圧倒的な才能の前では、理屈や理論はあまり意味をなさないようです。
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なぜ「雪風」は生き残れた? 戦艦大和の沈没を見届けた「元乗員」が語った、クルーの判断力
2025.08.15竹野内豊さんらが出演した実写映画『雪風 YUKIKAZE』が、8月15日から全国で劇場公開されます。太平洋戦争で「幸運艦」と呼ばれた駆逐艦「雪風」に乗ったクルーたちと、彼らの家族の物語です。特撮映画やSFアニメにも引っ張りだこな「雪風」は、なぜ「幸運艦」と呼ばれるようになったのでしょうか?
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レオが人間に食べられた『ジャングル大帝』 顔を分け与える『アンパンマン』との共通性も?
2025.08.10主人公のレオが人間に食べられてしまう衝撃的な最終回で知られるマンガ『ジャングル大帝』ですが、手塚治虫作品は他にも残酷なエピソードが少なくありません。なぜ手塚先生はシビアな結末を用意したのでしょうか? 『ブッダ』『ブラック・ジャック』『火の鳥』なども読むと、手塚作品の隠された壮大なテーマ性が浮かび上がってきます。
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萩原健一×水谷豊『傷だらけの天使』最終回の衝撃 脚本にない即興演出とは?
2025.08.03『太陽にほえろ』の「マカロニ刑事」で人気を博した萩原健一さんが、さらにその魅力を爆発させたのが『傷だらけの天使』です。特撮ドラマ『バンパイヤ』の水谷豊さん、『怪奇大作戦』の岸田森さんら、共演陣も個性派ぞろいでした。1970年代を代表する「伝説のドラマ」と称されています。伝説化した秘密を探ります。