『ばけばけ』の明治時代は「心霊ブーム」だった? 八雲が会った「妖怪博士」は登場するか
10月31日は「ハロウィン」です。子供たちが魔女やおばけに仮装するこのお祭りは、アイルランドが発祥の地です。ラフカディオ・ハーンが、日本の怪談に魅了されたのは、「ギリシア神話」で有名なギリシアで生まれ、アイルランドで育ったことが関係していると言われています。ハーンが訪れた明治時代の日本の怪談、妖怪事情を考察します。
「ハロウィン発祥の地」で育った小泉八雲

ラフカディオ・ハーン、のちの小泉八雲とセツの夫婦をモデルにした、NHK連続テレビ小説『ばけばけ』が好評オンエア中です。第5週となる今週は、日本神話の舞台となった松江で暮らすヒロインのトキ(演:高石あかり)と、米国から来たヘブン(演:トミー・バストウ)が出会い、物語が大きく進みます。
神話の国・ギリシアで生まれ、ハロウィン発祥の地・アイルランドで育ったハーンと、怪談好きだったとされるセツは、どのように関係性を深めていったのか、気になるところです。
ハーンは1890年(明治23年)に日本にやってきたわけですが、明治時代の日本は文明開化が進む一方、大変なオカルトブームが起きていた時期でもありました。一体、どんな状況だったのでしょうか?
八雲が会っていた明治時代の「妖怪バスター」
明治時代に「おばけ先生」「妖怪博士」と呼ばれたのは、東洋大学の創始者である哲学者の井上円了です。新潟生まれの円了は、もともとは怪談が大好きだったのですが、非科学的な迷信に惑わされる人があまりにも多いことから、「妖怪学」を立ち上げます。
円了は全国各地で起きている怪奇現象を調べ歩き、ほとんどの妖怪の正体は人為的なものか人間の恐怖心が生み出したものだと解き明かしました。
また明治時代は、西洋の降霊術が「コックリさん」として広まり、大変な騒ぎとなっていました。円了は「コックリさん」は心霊現象ではなく、人間の潜在意識が原因であることを突き止めています。「妖怪バスター」として、円了は大いに活躍しています。
ハーンが暮らしていた松江にも、円了は講演のために訪れています。「妖怪博士」が訪松することをハーンは小躍りして喜んだそうです。一緒に松江城の天守閣に登り、歓談する機会もあったことが記録に残されています。しかし、迷信を否定する円了と妖怪大好きなハーンは考え方が違うため、ふたりの親交は長くは続かなかったようです。
おかしな外国人と「妖怪博士」の出会いと別離は、『ばけばけ』では扱われるのでしょうか。


