35周年『FF』の意外と知らない「召喚獣」誕生と逸話 プレイヤーを悩ませる「大問題」とは?
2022年12月18日は『ファイナルファンタジー(FF)』の35回目の誕生日です。全世界のゲーム市場で名をとどろかせる人気シリーズを支えてきたのは、なにも重厚長大なシナリオや人間ドラマだけではありません。今回は30年以上の歴史を誇る「召喚獣」に焦点を当て、その始まりや逸話を振り返ります。
30年以上プレイヤーを支え続ける「FF」の召喚獣
1987年12月18日に発売されたファミリーコンピュータ用ソフト『ファイナルファンタジー』。同ソフトは、今や国民的RPGと言っても過言ではない人気タイトルとして、世界中に広く知られています。
2022年で生誕35周年を迎えた「ファイナルファンタジー」(以下、FF)シリーズは、画期的なアクティブタイムバトルの導入をはじめ、感情を揺さぶる人間ドラマなど、システムとシナリオの両面で多くの支持を集めてきました。今回は『ファイナルファンタジーIII』(以下、FF3)で初登場し、長きにわたってプレイヤーをサポートし続ける「召喚獣」にフォーカス。各タイトルにおける扱われ方や、意外と知られていない逸話を中心にご紹介します。
「FF」シリーズの召喚獣と言えば、「敵キャラとの戦闘中にプレイヤーが呼び出すサポートキャラ」といった存在ですが、当初は名前がまだ定まっておらず、「召喚魔法」と呼ばれていました。上述の『FF3』で登場した召喚魔法は計8種類。この時からすでに「バハムート」や「オーディン」など、同シリーズを代表する召喚獣(当時は精霊およびモンスター)が実装されていたのです。ちなみにバハムートの初登場は第1作目。ドラゴン族の偉大な王として姿を現し、プレイヤーパーティーのクラスチェンジを見届けています。
召喚魔法の威力は、すでに「FF」シリーズを経験した方々ならご存じのことでしょう。この性質は『FF3』の頃から健在で、「敵全体へ大ダメージ」「敵全体の弱体化もしくは即死を付与」……などなど、使い方にもよりますが、いずれも頼もしい効果を備えていました。
その後、シリーズのナンバリングタイトルを重ねるごとに「幻獣」という呼称が定着していきます。一部タイトルを除き、『ファイナルファンタジーIX』以降は「召喚獣」として統一されますが、フォーマットが固まるにつれて作中でのポジションも多彩な変化が見られます。
例えば『ファイナルファンタジーVIII』の場合、召喚獣は異世界から呼び出される(顕現する)のではなく、世界中の特定の場所(フィールドやモンスター内)に漂うエネルギー体として描かれています。また『ファイナルファンタジーX』においては、従来タイトル以上に召喚獣が重要な存在に。「プレイヤーが呼び出す」「物語の局面で戦う」といったシチュエーションにくわえ、主人公「ティーダ」の運命や世界の根幹に深く関わっていました。