【春アニメ1話レビュー】ストレス社会に光明!?『リラックマとカオルさん』
"がんばることを忘れるため"の努力?

『リラックマとカオルさん』第1話では、リラックマは横になってゴロゴロばかりしています。本作では、リラックマがどういった存在で、どのような理由でカオルさん宅に居候しているのか、といった理由についてはあまり触れません。
一般のテレビ番組に出演する人は常に「何者であるか」を求められます。しかしアニメのこの世界では、受け入れられるのに理由や証明と言った難しいことはいらないのでしょう。
また1話10分という短さも、時間に追われる現代人には優しい時間設定です。同作品のキャッチフレーズである「がんばる、を忘れる10分間。」らしく、リラックマはがんばりません。
寝起きで耳に寝癖がついているのを直すのも、どこかめんどくさそうで、結局カオルさんに直してもらいます。その凹んだ耳は可愛らしく、ストップモーションアニメにもかかわらず、直るまでの過程が細かく描写されています。
そのシーンには、視聴者が”がんばることを忘れる”ための、制作側の妥協なき努力を垣間見ることができるのです。
(二木知宏)