【春アニメ1話レビュー】ストレス社会に光明!?『リラックマとカオルさん』
2019年4月19日からNetflixで全世界独占配信がスタートした、『リラックマとカオルさん』。日本国内で大人気のキャラクター「リラックマ」の初のストップモーションアニメです。
CG全盛の時代に"ストップモーションアニメ"
ネット動画配信サイト・Netflixで2019年4月19日から全世界独占配信中の『リラックマとカオルさん』。登場するのは、リラックマだけではなくコリラックマ、自分の鳥かごを掃除するキイロイトリ、そしてタイトルにも出てきているOLのカオルさんです。本作品は、リラックマを主役にした10分間のストップモーションアニメで、全13話の構成となっています。
ストップモーションアニメは粘土を材料として作られたキャラクターや風景などの被写体を、1コマずつ少しずつ動かしてカメラで撮影し、連続して動いているように見せるものを指します。過去放送されていた『ニャッキ!』や『ピングー』(どちらもNHK)と言えば、イメージしやすいでしょう。
CG全盛の時代に、なぜストップモーションなのか? という疑問が湧くと思います。通常のセルアニメやCGアニメと比較しても、やはり撮影に手間がかかり、制作は簡単ではないはずです。
しかし、ストップモーションには、セルアニメやCGアニメにはない、温もりと懐かしさがあり、今なお国内外を問わず多くの映像クリエイターがストップモーションアニメを制作しています。
温もりや懐かしさに”癒し”を感じる人は多いはずです。常に何かに縛られ、急かされているという、いわゆる「ストレス社会」の日常において、無意識的に”癒し”を求めるのは当然なのかもしれません。
そもそも”癒し”とは、傷が「癒える」や病が治「癒」するといった時に用いられました。身体の異常状態が通常に戻ることが”癒し”であったのですが、今現在、多くの人が使う”癒し”はそうではなく、常に何か物足りず、もっと満たされたいと願う、現代人特有の悩みを打ち消すものになっています。
”癒し”という言葉が現在の使われ方になってきたのは2000年代初頭、インターネットや携帯電話が普及してきた頃であり、リラックマのグッズが登場した2003年も、ちょうどその時期と重なります。