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『イースX』はシリーズ初心者にこそオススメ? 予習不要でも楽しめる理由と、新作ならではの独自要素

『イースX』は、35年もの歴史を持つ人気シリーズの最新作。これだけのナンバリングを重ねながらも、シリーズ未経験の初心者でもすんなり始められる作品です。なぜ、入門用としてもオススメなのか。その理由や魅力をお伝えします。

10作目だけど、事前の予習はほとんど要らない『イースX』

『イースX』でダブル主人公を務める、アドル(左)とカージャ(右)
『イースX』でダブル主人公を務める、アドル(左)とカージャ(右)

 好評を博し、長く愛されるゲームシリーズはいくつもあります。しかし、35年以上も歩み続け、しかも主人公が変わることなく一貫しているアクションRPGといえば、『イース』シリーズの右に出るものはありません。

 本シリーズは、1作目(PC版)が1987年に登場して以来、多数の移植・リメイク作を交えつつ、ナンバリングも順調に重ねていきます。そしてシリーズ最新作の『イースX -ノーディクス-』(以下、イースX)が、2023年9月28日にニンテンドースイッチ、PlayStation 5、PlayStation 4用ソフトとして登場。ナンバリングがいよいよ2桁の大台に乗る、ファン待望の一作です。

 長年愛され続けている背景からも分かる通り、『イース』シリーズはファンの期待に応えるゲームを生み出し続けました。ですが、その面白さはファンに向けたものだけでなく、新規ユーザーでも十分満足できる内容と仕上がりを見せており、それは10作目となる『イースX』でも変わりません。

 同一主人公で10作も続くシリーズ最新作が、なぜ新規ユーザーにもオススメなのか。その意外な理由へと迫ります。また、本作に興味を覚えた方に向け、『イースX』独自の新要素も分かりやすくお届けしますので、プレイ意欲の向上にお役立てください。

●10作目ながら、時系列ではほぼ初期に当たる『イースX』

 シリーズが長く続くと、作中の登場人物が経験した出来事は作品を重ねるごとに増えていきます。プレイしたファンからすれば共有する懐かしい思い出ですが、新規ユーザーにとっては未体験の過去なので、むしろ疎外感を覚えてしまうでしょう。これは、あらゆるシリーズ作につきものの難点です。

 しかし『イース』シリーズの場合、ナンバリング作品の多さと出来事の蓄積は、必ずしも比例しません。というのも、本シリーズはナンバリングと時系列が入り乱れており、前後編の関係にある『I』と『II』が初めの冒険ですが、『III』『IV』『V』を時系列順に並べると、『IV』『III』『V』となります。

 そこから『V』『VIII』『VI』『SEVEN』と続き、現時点で発売されている最も新しい作品『IX』に繋がります。この順番もあくまで現在のものに過ぎず、例えば『XI』が今後出た場合、『III』と『V』の間に入る時系列になるかもしれません。

 そして肝心の『イースX』の時系列ですが、順番的にはなんと『I』『II』の直後。ナンバリングでは10作目ですが、作中世界の視点では序盤の冒険譚なので、新規ユーザーでもかなり入りやすい時代設定と言えます。

●『イースX』プレイ前の予習は、ほんのわずかでOK!

 実質的な連作の『I』と『II』を除き、『イース』シリーズは各作品ごとに完結しています。冒険の舞台はいつも異なりますし、登場人物もごく一部を除いて毎回一新しているため、どの作品から遊んでも大きな問題がないのも『イース』シリーズの特徴です。

 特に『イースX』は、前述の通り『I』『II』の後に位置する物語なので、人間関係もシンプルな範囲に留まっています。『I』で知り合った元盗賊の「ドギ」が主人公の相棒となり、『II』に登場した医師「フレア」が旅に同行している、という関係性だけ把握しておけば、『イースX』を遊ぶ前の予習は十分です。

 どうしても万全を期したい場合、ゲーム機向けの『I』『II』は前世代機以前になってしまうのであまりオススメできません。アクセスしやすいスマホ版の『イースIクロニクルズ』『イースIIクロニクルズ』が、最も手軽な手段です。

●無口系主人公なので、プレイヤーの没入感も阻害せず

 遥か昔の時代を描いた『イース・オリジン』などの番外編を除けば、本シリーズは常に「アドル・クリスティン」が主人公を務めています。立場としては旅人、また剣を好んで使う剣士でもありますが、彼の気質は根っからの「冒険家」です。

 実力も確かで頼もしいためアドルに好意を寄せる女性も過去作にいましたが、彼自身は冒険の虜(とりこ)なので、基本的に恋愛関係へ発展することはありません。恋心よりも未知の冒険に惹かれるタイプの主人公ですから、色恋沙汰が苦手なユーザーも安心してプレイできます。

 またアドルは、ここぞという場面や、選択肢で会話する機会こそありますが、基本的には無口で個性を主張し過ぎません。そのおかげでプレイヤーの没入感を阻害しにくいのも、嬉しいポイントと言えるでしょう。

【画像】アクションが爽快! 『イースX』プレイ場面を見る(9枚)

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