『機動戦士ガンダム』知らん子ばっかり! 「トミノメモ」に見る「幻のモビルスーツ」
「ガンダム」を破壊する予定だった幻のMSとは…?
●デギン殺し「キケロガ」
「キケロガ」は、シャアが搭乗したMSです。ララァが乗るエルメスとともにホワイトベースと交戦しますが、ガンダムに倒されてシャアはララァに救出されました。その後、和平交渉のために戦艦デギンで地球連邦へ向かったジオン公国の公王でザビ家の当主であるデギン・ザビを、ギレンの意を汲んだその配下タブローが率いるキケロガの部隊が襲撃し、デギンを謀殺しました。
当初はデザインがありませんでしたが、ボードゲーム『トワイライト・オブ・ジオン』やゲーム『SDガンダム Gジェネレーション』シリーズに登場し、それぞれに異なるデザインが与えられています。ニュータイプ専用機であり、腕部が有線サイコミュ式ビーム砲になっていました。
●受け継がれた名前「ガルバルディ」
シャアと、シャアの配下であるニュータイプの少年パッカデリアの乗るMSが「ガルバルディ」です。エルメスを駆るララァの護衛につきますが、ガンダムのアムロと遭遇し、パッカデリアはこれを撃とうとするも返り討ちに遭います。アムロはシャアのガルバルディも倒しはしたものの、シャアをかばおうとしたララァは宇宙に散ってしまいました。
ドワッジやガッシャとともにガルバルディも「MS-X」に流用され、「MS-17ガルバルディ」としてデザインが起こされます。ギャンとゲルググの特性を併せ持ち、格闘戦で優れた性能を発揮するMSと考えられています。『機動戦士Zガンダム』には、地球連邦軍に接収されて改修されたMS「ガルバルディβ」が登場しました。βと区別するため、元のガルバルディを「ガルバルディα」と呼ぶこともあります。
●シャア最後の愛機「ガラバ」
「ガラバ」は、ジオン最終兵器の開発を探るためサイド3のスペースコロニーのひとつである38バンチに潜入したアムロらを襲撃した新鋭モビルスーツです。搭乗していたのは名もなき大佐で、新鋭機らしくアムロのガンダムを追い詰めたものの、惜しくも倒されました。その後、シャアが搭乗してアムロのガンダムとの最終決戦に臨みましたが、やはり敗北してしまいます。
一年戦争下でのシャアの最後の愛機ながら、クローズアップされる機会がないまま終わりました。デザイン画も存在しません。
●ガンダムを破壊した砲台MS「ギガン」
「ギガン」は、ガンダムが戦った最後のMSです。モビルスーツと砲台をかけあわせたような機体である旨が説明されています。最終決戦の地、宇宙要塞ア・バオア・クーの最後の防御網として奮闘し、大破させられながらガンダムをほとんど動けない状態に追い込みます(もともとガンダムはそれまでの戦闘でボロボロでしたが)。
「MS-X」に流用され、デザイン画と設定を与えられました。頭部に180mm砲があり、3輪で走行する移動砲台のような姿でした。マンガ『機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』には宇宙仕様のリックギガンが登場します。また、OVA『機動戦士ガンダムUC』にも宇宙戦仕様に改装された姿で登場しました。
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これらのMSが画面を賑わせる『ガンダム』を見てみたかったと思う反面、43話で終わっていたからこそ、現在の「ガンダム」ワールドの繁栄もあったのだと思ってしまいますね。
(大山くまお)