『ドラクエ』海外進出は苦戦の連続だった? 名作『5』と『6』は展開中止も
『ドラクエ8』で事態が好転、海外で注目され始める

ファミコンからPlayStationの時代にいたるまで、海外市場で苦戦が続いていた「ドラクエ」シリーズ。ところが第8作目『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』(以下、ドラクエ8)のローカライズを経て、ついに巻き返しを図ることに成功します。
2005年に北米、2006年にヨーロッパ市場向けにローカライズ版が展開された『ドラクエ8』は、北米市場だけでも40万本を超えるセールスを記録しました。この数字を見ただけでも、上述した『ドラクエ7』(約17万本)を含め、過去のローカライズ版と2倍以上の差をつけていることが分かります。
『ドラクエ8』は日本版の発売から1年というローカライズ作業のスピードにくわえ、『ドラクエ1』時代のように削除(差し替え)されたゲーム内要素も少なく、日本版の表現を極力損なわずに翻訳されました。トゥーンレンダリング技術によって、故・鳥山氏の線画がそのまま立体化したような3Dモデルも海外ユーザーから好評を獲得します。そうしたゲーム内外の進歩だけでなく、「『ドラクエ8』を買うと『ファイナルファンタジーXII』の体験版がついてくる」(北米版のみ)という驚きのプロモーションも相まって、「ドラクエ」シリーズは誕生から約20年の時を経て、海外ユーザーに広く認知される機会を得たのです。
『ドラクエ8』の発売により、海外市場で改めてポテンシャルが再確認され始めた「ドラクエ」シリーズ。スーパーファミコン時代にはローカライズされなかった『ドラクエ5』や『ドラクエ6』もニンテンドーDS(以下、DS)向けにリメイク版が作られ、海外ユーザーにも存在と価値が知られることになります。
ナンバリング作品のローカライズも続けられていき、DS用ソフト『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』は北米版とヨーロッパ版を合わせて、ソフト売上100万本を達成。『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』は完全版も含め、世界市場におけるソフト売上が600万本を突破しました(世界市場)。
国民的RPG「ドラクエ」シリーズが海外で本格的に知られるようになってから、早くも20年が経とうとしています。スクウェア・エニックスが開発中の最新作『ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎』は日本を含め、世界規模でどのようなムーブメントを巻き起こすのでしょうか。今後の動向に注目です。
Nintendo Switch版『ドラゴンクエスト』
(C)1986, 2019 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX All Rights Reserved. (C) SUGIYAMA KOBO
Nintendo Switch版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』
(C)1988, 2019 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX All Rights Reserved. (C) SUGIYAMA KOBO
スマートフォン版『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』
(C)2004,2013 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
(龍田優貴)





