タイミングが悪すぎた… ストーリーと現実がリンクしてしまった不憫なアニメ
好きなアニメが始まると、次週の放送が待ち遠しくなるものです。しかし、現実でも作品の内容と似たような事件や災害が発生し、放送延期を余儀なくされた作品もありました。
作品はまったく悪くないのに…

好きな作品がアニメ化されて佳境を迎えると、次週の放送が待ち遠しくなるでしょう。しかし、物語の展開を連想させる事件や災害が現実で発生し、放送延期を余儀なくされた作品もありました。
例えば、2014年から2016年まで放送された『ワールドトリガー』1期では、第46話の放送直前に起こった水害への配慮により、1週間の放送延期になりました。作中では暴風雨が発生する仮想空間の河川敷でチーム対抗戦を繰り広げており、原作にあった堤防を破壊するシーンはカットされ、爆発音のみの演出に変更されています。
また、2021年放送の2期と3期でも災害特番により放送が1週間延期されました。この際、放送時間が近いうえに名前の似ている『ワールドプロレスリング』がレコーダーの誤認識で録画された視聴者もいたようです。
当初、2001年秋アニメとして放送予定だった賀東招二氏の同題ライトノベル(富士見書房/現:KADOKAWA)が原作の『フルメタル・パニック!』も、当時起きたアメリカ同時多発テロ事件の影響を受けてか、放送が1クール延期されました。第4話以降で主人公たちが沖縄への修学旅行でハイジャック事件に巻き込まれるなど、事件と重なる部分があり配慮したといわれています。
また、同じ出版社の他作品にも影響があり、『スクラップド・プリンセス』の原作者である榊一郎氏は、あおりを受けて「アニメ化はなしになるかもしれません」と担当から告げられたそうです。なお、同作は2003年春にWOWOWで無事にアニメが放送されています。
そして、2011年3月11日に発生した東日本大震災では多くの作品が放送延期されました。なかでも、魔法少女たちと魔女と呼ばれる化け物の戦いが描かれた『魔法少女まどか☆マギカ』の第11話以降はファンの記憶に強く残っています。
延期された第11話以降は、最強の魔女「ワルプルギスの夜」が襲来し、住民たちは余波で起きた天災を前に避難する展開です。そうした展開のなかで避難所の様子が克明に描かれるため、視聴者から「タイミングが最悪だった」「配慮するのも仕方ない」と納得する声があがりました。
また、スマートフォンゲーム『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』が配信された2017年8月22日には、現実世界で愛知県にスーパーセル(巨大積乱雲)が到来しています。ちなみにゲームやアニメの設定で「ワルプルギスの夜」は「スーパーセルを複合した災害」と一般人に認識されていました。
さらに、ゲームで「ワルプルギスの夜」が襲来する一連のストーリーが始まった翌日には近畿地方に巨大な台風が襲っています。
ほかにも作品の新展開や発表と、地震や台風などの災害がことごとく重なり「『まどマギ』といえば災害ってジンクスは、いつになったら消えるんだ」と嘆くファンも見受けられました。
2025年は『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 〈ワルプルギスの廻天〉』の上映や、新作スマホアプリ『魔法少女まどか☆マギカ Magia Exedra』のリリースが予定されています。今回こそは災害と関係なく無事に終わってほしいと願うばかりです。
(LUIS FIELD)