作者も「原作超えてしまいそう」 ビジュアルも演技も想像以上だった実写化映画
数あるマンガの実写化作品のなかには、再現が難しく賛否を呼んだものもあります。一方で、キャストのビジュアルや演技力、世界観を忠実に再現し、原作者からも絶賛された実写映画もありました。
性別、年齢、国籍をも超えてしまう演技力の高さに脱帽

人気マンガが実写映画化される際、原作の再現度は注目されるポイントのひとつです。賛否を呼ぶ作品もあるなか、原作ファンだけでなく作者にもクオリティを絶賛された作品がありました。
●『君に届け』
椎名軽穂先生の人気マンガが原作の映画『君に届け』は、地味で陰気な見た目から「貞子」と呼ばれる女子高生「黒沼爽子(演:多部未華子)」が、クラスの人気者「風早翔太(演:三浦春馬)」と親しくなり、彼の優しさに触れながら成長していく姿を描いた青春物語です。
爽やか系イケメンである風早のビジュアルや温かみのある声色、そして爽子への恋心を自覚した後の嫉妬や戸惑いを繊細に表現した三浦さんの演技が、観客の心をつかみます。また、不器用ながらも自らの殻を破っていく爽子に対しては「背中を押してあげたくなる実力派女優」といった声があがるなど、多部さんの高い演技力も注目されました。
椎名先生は、クランクアップの会見で披露された手紙で、主演ふたりの再現度を絶賛しており「爽子を演じてもらえてうれしいです。我が家では勝手に多部爽(たべさわ)ちゃんと呼んでいました」「風早に何の違和感もありません。そのまま風早の資料にしたいくらいの風早っぷりです。我が家ではリアル風早と呼んでいます」と絶賛しています。
●『テルマエ・ロマエ』
2012年公開の映画『テルマエ・ロマエ』は、「マンガ大賞2010」「第14回手塚治虫文化賞短編賞」を受賞したヤマザキマリ先生のマンガが原作です。本作は、古代ローマ帝国の浴場設計技師「ルシウス(演:阿部寛)」が現代日本の銭湯にタイムスリップし、日本の風呂文化を学んでいく姿を描いています。
古代ローマ人を演じた阿部さんは、未知の文化に触れた驚愕の表情や日本人を「平たい顔族」と呼ぶユーモラスな役柄で、唯一無二の存在感を放っています。ヤマザキさんは「原作を越えてしまいそうな大作になりそうでびっくり」「イタリア人スタッフも思わず『本物のローマ人みたいだ』とつぶやいていました」とコメントしており、現地の制作陣も驚かせていたようです。
同じく古代ローマ人に扮した北村一輝さん、宍戸開さん、市村正親さんら日本屈指の顔の「濃い」役者陣の演技も見どころで「これが邦画なのがまずすごい」「よくここまでのクオリティの人材集めてきた」などと絶賛されています。
●『翔んで埼玉』
『テルマエ・ロマエ』と同じ武内英樹さんが監督し、第43回日本アカデミー賞で優秀作品賞などを受賞した2019年の話題作『翔んで埼玉』(作:魔夜峰央)は、ひどい迫害を受けていた埼玉県民が、埼玉県解放を成しとげるために戦う愛と革命の物語です。
埼玉県の自虐ネタを詰め込んだ作品で、東京都知事の息子で超名門校の生徒会長「壇ノ浦百美(演:二階堂ふみ)」と、アメリカ帰りの転校生で隠れ埼玉人の「麻実麗(演:GACKT)」が互いに惹かれ合うも、東京と埼玉の県境で引き裂かれます。
百美役の二階堂さんは本作で初の男性役に挑戦し、GACKTさんは公開当時45歳にして高校生役を演じていました。未完だった原作の物語には映画オリジナル展開が加えられたものの、作品の世界観をはじめキャストの髪型やメイク、衣装まで原作に忠実に再現されています。
高い演技力も話題となり、魔夜先生は公開当時のインタビューにて「百美と麗のキスシーンの美しさは完璧」「完全に私の描く世界と合致していた」とコメントしています。話題を呼んだ本作は興行収入が37億円を超える大ヒットを記録し、完全オリジナルストーリーの続編となる『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』が2023年11月に公開されました。
(LUIS FIELD)
