「BPO案件」になった過激シーンも必要? 心理描写も生々しい実写化ドラマに「共感してもうた」
数ある実写化ドラマのなかには、過激な内容を含む作品も少なくありません。さらに、激しい描写に加えて登場人物の心情やリアルな人間ドラマも描き、視聴者を引き込んだ作品もありました。
今の時代を生きる人間に突き刺さる描写が多すぎる

日常生活に潜む落とし穴や社会の実態を描いたマンガが原作の実写ドラマは、ときに残酷な展開を迎えることがあります。なかには過激な描写を含みながらも、登場人物の背景や心理描写が丁寧に描かれ、視聴者の共感を呼んだ作品もありました。
●『明日、私は誰かのカノジョ』
2022年に放送されたドラマ『明日、私は誰かのカノジョ』(作:をのひなお)は、悩みやコンプレックスを抱えた5人のヒロインを中心に、各章ごとに異なる主人公が登場する形式の物語です。レンタル彼女編、パパ活編、整形編、ホスト編など、彼女らがもがきながら問題を克服しようとする姿や、現代を生きる女性たちのリアルな一面を描いています。
たとえばホスト編の「ゆあ(演:齊藤なぎさ)」のエピソードでは、ホスト沼にハマる過程や、その心理が繊細に表現されていました。ネット上では「このドラマを観たらホストにハマる人の気持ちが理解できる」「一歩踏み込めば自分も同じ道をたどるかもしれないと思い、怖くなった」など、共感とともに戦慄を覚えたという声もあがっています。
●『ガチ恋粘着獣~ネット配信者の彼女になりたくて~』
Webコミック配信サイト「ゼノン編集部」で連載された『ガチ恋粘着獣~ネット配信者の彼女になりたくて~』(作:星来)は、2023年にドラマ化されました。本作は「推し」にガチ恋するヒロインたちの過激な恋愛バトルを描いた作品で、女子大生の「輝夜雛姫(演:香音)」は、奇跡的に推しである「スバル(演:井上想良)」とのデートを実現するものの、他のファンを巻き込んだ修羅場へと発展していきます。
金銭的に苦しいなか、彼女が推しに万単位の投げ銭をする場面や、生配信中に家へ押しかけるシーンなど、推しへの執着と倫理観の狭間で揺れるファン心理も生々しく表現していました。
インフルエンサーやYouTuberなど推しの対象が多様化する現代において、「フィクションの話だけではない気がしてゾっとする」「いまの時代だからこそ共感できるドラマ」などの声が出ており、現実味のある内容がインパクトを与えていました。
●『ライフ~壮絶なイジメと闘う少女の物語=』
2007年に放送された『ライフ~壮絶なイジメと闘う少女の物語=』は、すえのぶけいこ先生のマンガ『ライフ』を原作としたドラマです。とある高校に通う「椎葉歩(演:北乃きい)」が、「安西愛海(演:福田沙紀)」をはじめとしたクラスメイトによる、壮絶ないじめに立ち向かいます。
いじめの内容は、ごみ収集場に閉じ込められる、トイレで頭にモップを押しつけられるなどで、視聴者から「犯罪レベルと言っていいほどにやりすぎ」「こんなことがまかり通る学校あるの?」との声があがるほど、過激さが話題になりました。さらに、弟ばかりを気にかける親や、職員室内でいじめにあう担任など、彼女を守れる人がいない絶望的な状況が描かれ、歩が本当の友達と出会う展開もありつつ暗い物語が続きます。
終盤では立場が逆転し、「標的」になった愛海がかつての取り巻きに教室の窓から机などが投げ捨てられ「おめーの席ねぇから!」と吐き捨てられる有名な場面は、終わらない「いじめの連鎖」をうまく表しています。「放送倫理・番組向上機構(BPO)」には「いじめを助長する」など批判や抗議も寄せられたそうですが、生々しいいじめの実態や被害者の心理描写が、当時の視聴者に深い共感と衝撃を与えました。
(LUIS FIELD)
