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「朝ドラ女優が2人も?」 過激シーン満載だけど絶賛された実写化映画

マンガ原作の実写化作品のなかには、生々しいベッドシーンが描かれているものもあり、「ここまで再現できるのか」と、話題になることがあります。なかには、過激な性描写のほかにも、丁寧な心理描写や切ないストーリーで絶賛された実写映画もありました。

濃厚なベッドシーンなのに切なくなる

原作マンガ『strawberry shortcakes』(東京ニュース通信社)
原作マンガ『strawberry shortcakes』(東京ニュース通信社)

 性描写の多い青年マンガが原作の実写化作品は、過激も注目を集めます。なかには、濃厚な濡れ場だけでなく、ストーリーやテーマで観客の心を惹き付け高い評価を得た映画もありました。

 2006年にR15+指定で公開された『ストロベリーショートケイクス』は、魚喃キリコ先生のマンガ『strawberry shortcakes』が原作です。仕事も性格も異なる4人の女性が、恋愛や仕事に苦悩しながらも、幸せを求める姿が描かれています。魚喃先生自身が「岩瀬塔子」の芸名で、過食症のイラストレーター「塔子」を演じたことでも話題になりました。

 本作には、朝の連続テレビ小説で主演を務めた池脇千鶴さんや中越典子さんも出演しています。特に、中越さんが演じるOL「ちひろ」は男性と性行為をしたり、顔に男性の体液らしきものをかけられたりする場面までありました。

 一方で、過激な描写のなかには胸を締め付けられるようなシーンもあります。たとえば、デリヘル嬢の「秋代(演:中村優子)」が片思いを続けた男友達「菊池(演:安藤政信)」と一度だけ関係を持つシーンでは、濃密な性描写のなかに秋代の切ない思いが伝わってきました。

「菊池とのたった一度の性行為によって、風俗で働けなくなった秋代の純粋さや刹那さ、弱さに切なくなる」「終始厭世(えんせい)的な表情の秋代が菊池と居酒屋で会っているときだけ活き活きとした表情をしていて心をつかまれた」と、好評です。

 また、2022年にR18+指定で公開された『夕方のおともだち』(原作:山本直樹)も、過激な描写が再現されていました。物語は、自身をドMに目覚めさせて失踪した伝説の女王様「ユキ子(演:Azumi)」が忘れられない「ヨシダヨシオ(演:村上淳)」と、彼が通うSMクラブの女王様「ミホ(演:菜葉菜)」が織りなすヒューマンラブストーリーです。

 設定上ハードなSMプレイの描写が多く、冒頭ではミホが椅子に拘束されたヨシオの睾丸の皮に釘を刺すという過激なシーンも再現されていました。一方で、ヨシオとミホが仕事外でノーマルな性行為を行うシーンは、SMプレイが多い作中において特別な行為のような印象を与えます。

 ヨシオとミホの関係には、「ふたりが距離が近くなったり突き放したり、心が交差するときがあって切なさすらあった」「友達とか恋人じゃなくて名前のない『ヨシオとミホ』という関係性がエモい」「ミホは生粋のSではないから、自然と打ち解けられたのかも」と、胸を打たれた観客が続出しました。

 ほかにも、ジョージ秋山先生の『捨てがたき人々』も、2014年にR18+指定で映画化され、多数の性描写が描かれています。生きる意欲を失い、セックスのことばかり考えている「狸穴勇介(演:大森南朋)」が、弁当屋で働く「岡辺京子(演:三輪ひとみ)」と強引に関係を持って家族となり、愛や幸せを見付け出そうともがくストーリーです。

 作中では性に奔放な勇介が京子や京子の叔母、職場の人と肉体関係を結ぶため、多くの生々しい濡れ場が描かれています。勇介のほかにも、勇介と夫婦になった京子が信仰する宗教の信徒と不倫したり、勇介の職場の人が社内不倫していたりと、多くの性描写がありました。

 性を通して人間の業を描いた本作は、「肉欲に比重を置くことで、炙り出す人間の業と性に人の本質を感じた」「底辺層の描写がリアルで、エグいシーンや暴力描写が丁寧に描かれている」と評価されています。

(LUIS FIELD)

【画像】え…っ? 朝ドラ女優が2人いる… こちらがR指定で公開された『ストロベリーショートケイクス』です

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