振り幅広すぎないか? 意外なのにハマり役なイケメン俳優の実写化ドラマ
人気マンガの実写化作品は、原作の世界観や登場人物のビジュアルの再現度はもちろん、キャラを際立たせるキャストの演技も見どころのひとつです。これまでのマンガ原作ドラマでは、意外な俳優がキャスティングされながらも細やかな表現力で成功を収め、新たな魅力を生み出した作品もあります。
王道イケメンが新境地への挑戦で見せた新たな魅力とは

人気マンガの実写化作品において、キャストの演技は成功のカギを握る重要な要素です。これまでに放送されたドラマのなかには、意外な俳優が自身のイメージを覆す役柄に挑戦し、原作の再現度以上に「演技の振り幅がすごい」と視聴者を驚かせた作品もありました。
●『やわ男とカタ子』
長田亜弓先生のラブコメマンガ『やわ男とカタ子』は、2023年にドラマ化されました。おせっかいなオネエの「小柳睦夫(演:三浦翔平)」が、アラサー女子の「片桐藤子(演:松井玲奈)」と出会い、彼女の世話を焼くうちに恋へと発展していきます。
小柳は、イケメンで弁護士とハイスペックでありながら、バイセクシュアルという自身の性に悩みを抱えるキャラクターです。明るく振る舞いながらも人知れず葛藤する姿や、ピュアな藤子の言動に戸惑うかわいらしさが、三浦さんの声色や仕草、ふとした表情の変化にいたるまで、大胆かつ繊細な演技で表現されました。
同性でも思わず見惚れるほどの端正なビジュアルに加え、あまりに自然なオネエとしての姿に「あんなオネエいたらドキドキする」「細かい仕草まで女の子でかわいいのにかっこいい」といった絶賛の声が相次ぎました。
●『トリリオンゲーム』
2023年にドラマが放送された人気マンガ『トリリオンゲーム』(原作:稲垣理一郎/作画:池上遼一)は、「天王寺陽(ハル 演:目黒蓮)」と「平学(ガク 演:佐野勇斗)」というふたりの青年が、資金ゼロから起業し、大企業を築いていく物語です。
天性の人たらしでハッタリが得意、そしてタイトル通り「1兆ドル」を稼ぐ野望を持つハルを演じたのは、これまで実写映画『わたしの幸せな結婚』の「久堂清霞」役など、クールな好青年や繊細な役が多かった目黒蓮さんでした。本作ではその印象を一新し、快活で豪快、計算高く不敵な笑みを浮かべるハルを演じ、新たな一面を見せています。
「胡散臭いけどチャーミングな微笑に凄みがある」「いつもヘラヘラしてるハルが、一瞬見せる素の表情にゾクッとくる」など、メリハリのある演技に魅了された人も多く、ドラマは人気を集め、続編となる映画も2025年2月14日の公開から2週連続興行収入1位のヒットを飛ばしています。
●『親愛なる僕へ殺意をこめて』
人気マンガ『親愛なる僕へ殺意をこめて』(原作:井龍一/作画:伊藤翔太)は、2022年にドラマ化されました。連続殺人犯の父を持つことを隠して生活する大学生「浦島エイジ(演:山田涼介)」が、ある日、自身が二重人格であることに気付き、身の回りで起こった事件の真相を追う物語です。
聡明な好青年から映画『グラスホッパー』での「蝉」役のように裏社会を生きる殺し屋まで、幅広い役をこなしてきた山田涼介さんは、本作で明るく振る舞いながらも、別人格「B一(ビーイチ)」を宿す二重人格の主人公を演じました。山田さん自身も初挑戦となる難しい役どころでしたが、B一になった際の鋭い目つきや、まとう空気感の変化を巧みに表現しています。
整った顔立ちや輝く笑顔で王子様のような印象の山田さんが演じたエイジは、「同じ人間が演じているとは思えない」「私が知ってる山田涼介じゃなかった」など、従来のファンまでも驚かせました。
(LUIS FIELD)