ちゃんと再現されて衝撃の「二重人格」キャラ 切替えスゴすぎて「ついていけん」
人気マンガの実写化では、キャラの再現度が注目されるポイントです。とくに、性格が大きく異なる「二重人格」のキャラは演じ分けが難しく、再現には高い演技力が求められます。それでも、キャストの技量によって高い評価を受けた作品もありました。
クールな二枚目と徹底されたオタクのギャップにキュン

人気マンガの実写化作品では、キャラの再現度が成功のカギを握るポイントです。たとえば、マンガでたまに出てくる「二重人格」のキャラは演じ分けが難しく、その表現力に注目が集まります。これまで、その高いハードルを乗り越えてふたり分の人格を見事に演じ、称賛を浴びた俳優もいました。
●『銀魂2 掟は破るためにこそある』柳楽優弥
2017年の1作目に続く映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』(原作:空知英秋)では、柳楽優弥さん演じる「真選組」鬼の副長「土方十四郎」に、別人格が生まれます。
特殊なチップのせい(原作では妖刀の呪いが原因)で、ヘタレな人格の「トッシー」が誕生するという設定で、柳楽さんはふたりの全く違う性格を演じ分けました。本来の土方はクールなキレ者ですが、トッシーはオタク趣味を持つ極度のビビリという真逆の人物です。
トッシーはヘタレすぎて真選組を追放されるような人格ですが、そのユニークなキャラはファンから根強い人気を得ています。柳楽さんは片手で反対の腕をつかむポーズや、独特な口調、挙動不審な目線の配り方まで、原作に負けないインパクトでトッシーを再現しました。
途中からはトッシーと土方の人格がせめぎ合う場面も登場し、ネット上では「なんで実写の方が、トッシーのオタク度増してんの」「わざとらしい表情とか息継ぎのオタク感が絶妙」「切り替えが上手すぎてギャップについて行けん」「序盤のオタク討論会の場面も死ぬほど笑った」などと絶賛されています。
●『鋼の錬金術師 完結編』渡邊圭祐
2022年に公開された実写映画『鋼の錬金術師 完結編』(原作:荒川弘)の2作では、渡邊圭祐さんが「シン国」の第十二皇子「リン・ヤオ」を演じています。陽気で気品のある王子のリンは、賢者の石を注入され「強欲」の名を持つ「人造人間(ホムンクルス)」の「グリード」に身体を乗っ取られてしまいました。
グリードが憑依すると、リンは口調や表情、声色まですべてが変化し、チンピラ風の低音ボイスで挑発的な雰囲気に一変します。ネット上では「グリードのときの悪そうな表情がかっこいい」「笑顔ひとつで陽と影を演じ分けている」と、称賛されました。リンは「青龍刀」による剣術、グリードは黒く伸びた爪を使った格闘と、人格によって異なるアクションも見どころです。
渡邊さんは公式のコメントで、リンの立ち姿で「腕を組んでいる時でも常に胸を張って背筋をピンとすることで王子らしさ」を表現し、グリードは「獣のような荒々しさを出すためにもなにかを見る時は、下から見るようにする」ことを意識していたことを明かしています。
●『親愛なる僕へ殺意をこめて』山田涼介
『親愛なる僕へ殺意をこめて』(原作:井龍一/作画:伊藤翔太)の2022年のドラマ版では、山田涼介さんが連続殺人犯の父をもつ主人公「浦島エイジ」を演じました。本作は、自身が二重人格ではないかと疑い始めたエイジの視点から展開するサスペンスで、山田さんは温厚なエイジと、冷酷で喧嘩が強い別人格「B一(ビーイチ)」の両方を演じています。
ふたつの人格の切り替えは繊細に表現され、とくに穏やかなエイジから、鋭い目付きで復讐に燃えるB一へと変貌する場面は圧巻です。「座り方や視線の動かし方、顔の角度まで違って見分けがつく」と、演技を絶賛する意見が多く見られました。最終回ではエイジの人格が消失しますが、ふとした仕草や笑顔からB一のなかにエイジを感じさせる、高度な演技を見せています。
(LUIS FIELD)