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続編決定の『鎧伝サムライトルーパー』 お茶の間が凍り付いた「最終回」から36年

正当続編の放送が決まったTVアニメ『鎧伝サムライトルーパー』は、1988年から1989年にかけて放送された作品です。ファンの間で有名な、誤って前回と内容が放送された「二重放送事故」のあと、89年3月に放送された最終話はお茶の間を凍りつかせる衝撃的な場面も描かれました。当時の視聴者から「気まずかった」と言われている最終回は、どのような内容だったでしょうか?

何でみんな「一糸まとわぬ」姿に?

 画像は『鎧伝サムライトルーパー』DVD第1巻(アニプレックス) (C)サンライズ
画像は『鎧伝サムライトルーパー』DVD第1巻(アニプレックス) (C)サンライズ

 2025年6月11日にTVアニメ『鎧伝サムライトルーパー』の正当続編『鎧真伝サムライトルーパー』の放送が発表されました。1988年4月から1989年3月にかけて放送された『鎧伝サムライトルーパー』は、主人公の「真田遼」こと「烈火のリョウ」をはじめとした5人の戦士たちが「鎧擬亜(ヨロイギア)」と呼ばれる甲冑型のバトルスーツを身にまとい、世界の侵略を企む「妖邪」の軍勢と戦いを繰り広げる物語です。

 同作は、第17話放送の翌週に、誤って前回と同じ内容を放送してしまうという「二重放送事故」が大きな話題となりました。その後も、1989年に昭和天皇の崩御で放送休止があり、同年2月で終わるはずだった放送は窮地に追い込まれます。それでも何とか交渉によって3月まで放送され、無事最終話を迎えることができたのです。

 しかしその最終回は、過激な描写や放送中のミスなどにより、今なお語り継がれるラストになりました。

 最終回では5人の戦士と、妖邪を裏切った幹部「四大魔将」が一致団結し、妖邪たちを率いる妖邪帝王「阿羅醐(アラゴ)」と対決するエピソードが描かれます。しかし、リョウたちの奮闘もむなしく、アラゴは妖邪界から人間界に魔の手を伸ばすのでした。

 新宿に現れたアラゴとの最終決戦で、リョウは力を合わせて呼び出した強力な鎧「輝煌帝」をまとって戦いますが、最終的に力を欲するアラゴに取り込まれてしまいます。もっとも、リョウが取り込まれたのは作戦の一環で、内部から力を抑えられたアラゴは仲間たちの連続攻撃で倒されました。

 その最後の連続攻撃ではなぜか鎧の戦士たちが一糸まとわぬ姿で描かれます。当時視聴していた人からは「ありえないくらい親に引かれた」「感動シーンなのに、一緒に見てた親が理解してなくて気まずかった」などの声があがっていました。

最終回が無事終了、と思ったら「謎のテロップ」が?

 アラゴとともに運命をともにするかと思われたリョウは不思議な力で助かり、「しかし、いつの日か、また悪がはびこり、平和を乱すものが現れたとき。九つの鎧は再び現れるであろう。大いなる鎧の伝説とともに」とのナレーションで締めくくられます。

 番組終了後に登場する1枚絵のカットは、最終回なのにもかかわらず、「次回をお楽しみに」と通常と変わりません。もちろん、次週の放送はなく、翌週からは新たに『獣神ライガー』が始まるのでした。

 正当続編となる『鎧真伝サムライトルーパー』は、2026年1月からの放送が決定しています。現時点では、主要なスタッフ陣の顔ぶれや、主人公「凱(がい)」を石橋陽彩さんが演じることくらいしか明かされていません。

 前作の物語と何らかの形でつながるのか、それともまったく新しい物語が展開されるのか、今後の続報を期待して待ちましょう。

(LUIS FIELD)

【画像】えっ、トゲトゲしすぎでは? これが輝煌帝を纏った「烈火のリョウ」です(4枚)

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LUIS FIELD

マンガやアニメをこよなく愛するライターが多く在籍する編集プロダクションです。幅広い年代が所属し、レトロ系から新作までおさえた「語りたくなる」記事を心がけています。