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『ポケモン』世界の住人はポケモンを食べている!? おいしいのは…リアルな「食」設定

子供にも大人気の「ポケットモンスター」シリーズ。実は、この世界の人々はポケモンを食べて生活しています。独特な味わい方も含め、ゲーム内で明言されている“ポケモン世界”のリアルな食事情をご紹介します。

ファンタジーなポケモン世界の“リアル”な食事情

おいしいポケモンって!? 画像は2021年4月30日(金)発売予定、Nintedo Switch用ソフト『New ポケモンスナップ』(任天堂)
おいしいポケモンって!? 画像は2021年4月30日(金)発売予定、Nintedo Switch用ソフト『New ポケモンスナップ』(任天堂)

 説明不要の人気ゲームシリーズ「ポケットモンスター」ですが、その世界に住んでいる人々は一体何を食べているのでしょうか。野生生物としてポケモンが存在している世界観ですが…子供向けのゲームだからか、ポケモンを獲って食べているような描写は表立って描かれていません。

 しかし細かい部分を見ていくと、実は「食」について描かれている部分がいくつか存在しています。なかには明確に「食べられている」ことが示されているポケモンも……。そんなポケモンの設定に潜む、リアルな「食」事情について紹介していきます。

●ポケモン以外の生き物は存在している?

 そもそもポケモンの世界において、ポケモンと人間以外の動物は存在しているのでしょうか?『ポケットモンスター 赤・緑』に登場する船「サント・アンヌごう」に行けば、その謎が明らかになります。厨房にいるコックに話しかけると……なんと「さんまのしおやき」「したびらめのムニエル」「ぎゅうフィレのステーキ」という料理名を口にするのです。

 ちなみに、『赤・緑』のポケモン図鑑を見ると、ライチュウとゴースの説明には「インドゾウ」も登場します。初代ということもあり、設定が固まっていなかったのかもしれませんが……これが正しいとすれば、普通の動物も存在していて、食べていることになります。

●ポケモン世界のメジャー食材「ヤドンのしっぽ」

 かわいらしいルックスのポケモン「ヤドン」ですが、その“しっぽ”が食材であるという描写がいくつか見受けられます。ポケモン図鑑を見ると、こう記載されています。

「シッポの さきから あまみが にじみでている。 えいようは ないが かんでいると しあわせな きぶん。」
「ヤドンのしっぽを ほしたあと しおみずで にこんだ りょうりは アローラの かていの あじ。」

「ヤドンのしっぽ」はメジャーな食材のようです。最新作では「ガラルのすがた」という姿を変えたヤドンが登場しますが、図鑑によると、ガラル地方にだけ生息する植物のタネを食べているため、「しっぽはスパイシーな味わい」だといいます。産地によって味が変わるというのは、なかなか食欲をあおるリアルな設定です。

ポケモン図鑑に記されている「美食」の数々

●体の一部を収穫される植物ポケモンたち

「チェリンボ」は大きい実と小さい実のふたつがくっついた「さくらんぼポケモン」。どちらにも顔が描かれているのですが……小さい実の方が食用とされています。『ダイヤモンド』のときは「とてもあまくておいしいらしい」と多少ぼかして説明されていましたが、最新作の『シールド』では「甘くておいしいよ」とハッキリ書かれるようになりました。

 またフルーツポケモンの「アマカジ」は少しトリッキーな味わい方をされており、“汗”を水と割ることでほどよい甘さのジュースになるとのこと。他にも「トロピウス」が首についているバナナのようなフサが食用であるなど、植物モチーフのポケモンたちは部分的によく食べられています。

●甲殻類ポケモンは“ハサミ”がウマい!

『X・Y』で登場した「ウデッポウ」と進化系の「ブロスター」はエビをモチーフにしたポケモン。その図鑑説明を見ると、「ハサミの中身はとても美味いよ」「もげたハサミは食材として海外に輸出される」など、ガッツリ食材とされているようです。

『サン・ムーン』で登場した「マケンカニ」は、「なぐり過ぎでハサミはよくもげるがすぐに生える。ハサミの中味は少ないがコクがあってうまいぞ」とのこと。甲殻類のポケモンたちはプレイヤーに訴えかけるほどおいしいようです。

 ちなみにザリガニがモチーフの「シザリガー」は、「ハサミの中身はマケンカニやウデッポウと違ってドロ臭く実に不味い」とのこと。設定の遊び心が垣間見えます。

●魚ポケモンは普通に丸ごと食べられている

 凶暴なイメージがある「サメハダー」ですが、『ムーン』の図鑑を見ると「背びれが食材として珍重され、乱獲された過去がある」といったことが書かれています。さながら現実のフカヒレのように扱われていたようです。

 また、同じく凶暴な「バスラオ」も「食べると意外と美味しいらしい」とのこと。しかも「青筋のバスラオの身は淡泊」「赤筋のバスラオの身は脂が多く若者向き」など、かなりリアルな設定となっています。

『ソード・シールド』で登場した「カマスジョー」も「その身は驚くほど美味しいらしい」といいます。“命を奪って食べる”描写はほかのポケモンにあまりないのですが、魚に関しては抵抗なく描いていく方針のようです。

 こうして見ていくと、作品の時代によって「食」に関する描写が変化しているようです。初期はちょっとブレていましたが、徐々にあいまいにされていき、最近の作品では逆に設定がリアルになってきています。ポケモンの世界を「食」という目線で旅してみるのもいいかもしれません。

(古永家啓輔)

【画像】公式で「おいしい」とされるポケモンたち…(5枚)

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